清泉女学院大生がインターンシップで有害獣対策の電気柵見学

2022-02-11 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 清泉女学院大学(長野市)の学生2人が1日から8日まで須坂市役所でインターンシップ(体験就業)をした。選挙管理委員会や教育委員会、議会事務局、政策推進課で行政各部署の業務の説明を受けた。7日は農林課の業務で、本郷町区が平成25年4月から通電する電気柵などの施設を実際に見て有害鳥獣対策の現状と課題を学んだ。
 学生は、人間学部文化学科3年の小林真耶(まや)さん(須坂市東横町)と同学科2年の黒岩芽生(めい)さん(高山村牧)。
 本郷研修センターで区有害鳥獣対策委員会の設立経過や対策の実績を聞いた後、意見交換で理解を深めた。その後、電気柵設置の現場を見学し、電気柵修繕作業など体験した。
 区側の対応は4人。牧隆区長は「区民が意識を一つにして維持管理している」と語った。続いて越彰義副区長、中村七郎有害鳥獣対策部長、梅本順蔵ふるさと本郷水と緑を守る会事務局が説明した。
 同区は約250世帯。4分の1の世帯がサルやイノシシによる果物、野菜、タケノコ等への被害を受け、深刻な状況が続いていたことから区を挙げて対策を決議し、区民総参加により平成24年秋から25年春にかけて2050m区間に電気柵を設置した。
 区側は「地権者26人の同意を得て電気柵の両側5m幅(緩衝帯)の支障木等を伐採し、維持管理のために立ち入ること等の了解をいただいた。地権者の協力に感謝している」と述べた。
 また、活動費としてふるさと本郷水と緑を守る会が多面的機能支払交付金(国・県・市助成)を受けていることも紹介した。急斜面等に安全施設(階段、通路)を設置し、草刈り、除草剤散布、電気柵補修費などに充てていると説明した。
 有害獣駆除はこれまで6年間にサル0、イノシシ12、タヌキ23、ハクビシン33、キツネ13、クマ3、ニホンジカ10、アナグマ1頭など。「設置前はサルが飛び回り、カモシカも出た。設置後は激減している」とした。
 電気柵の施設見学では、杉の葉や竹など植物のほか、カマキリや昆虫など動物が触れてショートするケースなど通電管理の巡回の苦労などを紹介した。
 体験就業の途中で、本紙の取材に、小林さんは「電気柵を間近で見ることがないので驚いた。安全な市民生活が電気柵などの工夫により成り立っていた。自分も何か携われるものがあればやりたい」。行政の仕事を学んでは「普段市役所の仕事の一部しか見ていないことを感じた。いろんな人の助けや考えがあって暮らしができている。奥深さに触れたので、さらに知りたくなった」。
 黒岩さんは「電気柵は高山でも身近だが、高山と須坂の対策の違いを見ることができた。改めて高山も見てみたい」。行政を学んでは「知らないことが数多くあり、いろいろ調べてさらに学びたくなった」。
 二人は市役所各部署の対応について「職員さんの熱意を感じた」と語った。

2022-02-11 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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