明治期の建物、チャレンジショップに〜「やまじゅう」オープン

2022-10-01 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市が中心市街地の中町(本町通り沿い)にある明治期に建てられた建物を改修して整備した「市賑(にぎ)わい創出拠点やまじゅう」が9月21日、オープンした。独立開業を目指す人に店舗を貸し出す「チャレンジショップ」で創業をサポートする。イベントなどができる屋外オープンスペースも設けた。地域の交流とにぎわいを生み出す拠点として活用していく。県内で古民家をリノベーションした飲食店の経営などを手掛ける合同会社「U.I.international(ユー・アイ・インターナショナル」(長野市)が指定管理する。
 明治32(1899)年建築の2棟を利活用する。木造2階建て、延べ床面積517平方メートル。伝統的建造物が多く集まる町並みの象徴的な建物という。
 1棟(西側)は以前から市が所有し、郷土食体験などの施設として使われてきた。隣接するもう1棟(東側)は昨年3月、所有者から寄付された。施設名称の「やまじゅう」は、かつてこの施設が「旧持田亘家・山十(やまじゅう)製糸事務所」だったことに由来するという。
 西側建物1階に厨房を備えた飲食店スペース(店舗スペースと製造スペース)を置き、レストランやカフェなどの開業を後押し。東側建物1階にはアパレルや雑貨の販売、アート作品の展示販売などができる店舗スペースを備える。
 2階の交流スペース(和室)は、ヨガや整体などに利用できる個室の利点を生かした空間を用意。地域の会合などにも利用できる。裏庭の屋外スペースにはウッドデッキやステージを設け、マルシェなどのイベント会場として提供する。
 21日は、供用開始に合わせてオープニングセレモニーを開いた。関係者約10人が出席し、テープカットで祝った。主催者の中澤正直副市長は、民間事業者のノウハウを生かした創業支援などに期待を寄せながら「地域活性化の拠点となるように」とあいさつ。
 指定管理者の君島登茂樹代表は「県内5店舗の直営レストランやカフェの経営で培ったネットワークなどを最大限に発揮して、利用者の皆さんを支援していく。若者の起業、開業支援も進めていきたい」と述べた。
 チャレンジショップとして店舗スペースを貸し出す他、専門スタッフによる創業相談や、物件情報の提供などでも利用者をサポートしていく。
 初日は、施設の運営にも携わる長野県立大3年の小林快さんが、飲食店スペースを使ってオリジナル料理を提供した。将来の選択肢の一つとして飲食店の開業を考えているといい、みそなどの発酵食品を使って考案した料理をセレモニー出席者に振る舞った。
 君島代表によると、予約受け付けを開始した9月以降、既に市内や近隣から30件(飲食店20件、物販10件)ほどの問い合わせがあるという。飲食店スペースは来年2月までほぼ予約でいっぱい。初日からアパレル販売の利用があった物販スペースは、まだ余裕がある状況という。
 君島代表は取材に、市内での開業を後押しするため「今後は不動産情報を充実させたい」と語った。
 整備費3,600万円。国の地方創生推進交付金を活用した昨年度の「『まるごと博物館構想』を核とした『人』・『地域資源』で紡ぎだすまちの元気創出事業」(信州須坂まちの元気創出推進委員会事業)の「総合的休憩所・地域交流拠点」として整備した。
 利用時間は午前9時〜午後11時(利用スペースによって異なる)。製造スペースのみの利用は午前0時〜午後11時59分。年中無休。料金は店舗利用が1日1,000円〜2,000円、1カ月2万〜4万円。店舗以外は1時間200円、1日1,000円〜7,000円。問い合わせは☎026-405-2740へ。

2022-10-01 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。