【須坂市】雨よけパネル ブドウで実証実験

2012-12-01 07:00 am by 須坂新聞

農業 icon 須坂市は小河原地区4町を対象に「スマートファームコミュニティー」の構築に取り組んでいる。2年目の本年度は分散型メガソーラー発電の建設を具体的に進めるため、市補助金を使って「雨よけ兼用ソーラーパネルを用いた露地ブドウ栽培システム」の実証試験を岡木農園(新田町)で始めた。一方、農水省の補助金を活用し、来年3月までに農業者参加型太陽光発電事業の実行計画を策定する。先ごろ、事業推進協議会を設立した。
 実証試験は、市グリーン農業研究会副会長の岡木由行さん(新田町)の畑で8月から行っている。短梢(たんしょう)栽培するナガノパープルとシャインマスカットの棚上に、角度制御機構付きソーラーパネル(12枚、2.4kw)を設置。パネルの雨よけ・日よけ・霜よけ効果や収量・品質評価、装置性能、費用対効果などを来年10月まで調べる。
 事業費は約212万円(うち市新技術・新製品開発事業補助金100万円を活用)。事業主体はサンジュニア。信大工学部斉藤保典教授・小林一樹助教研究室、アスザック、岡木農園、県、市、JA須高が協力。
 農地法の一時転用許可を受けた。先ごろ須高農業委員会協議会や県関係課が視察した。
 岡木さんは「ブドウの等級や品質に特に問題はなかった。パネルの下は日陰になるが、110度回転するので日照への影響はパネルの厚さ分だけ。(列状に伸ばす)露地の短梢栽培だから設置ができた。気象災害防止効果にも期待でき、ブドウ産地の活性化に利用できる。11月〜4月は発電が期待され、農家経済の下支えになるのでは」と話す。
 市は「雨よけパネル設置に向け、地元の協力を得て今後事業体を組織したい。公共施設を含め、スマートファームコミュニティーの構築を目指したい」と話す。
 スマートファームコミュニティーとは再生可能エネルギーを活用し、地域全体のエネルギーを有効に利用する農村社会システム。昨年度は資源エネ庁の事業で地区内の太陽光発電想定量や地域特性などを探った。今協議会はあと2回開く予定。地区住民への現地説明会も予定している。

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