出品25回目、日展初入選〜須坂市北旭ケ丘町の?町恵風さん

2012-12-02 07:00 am by 須坂新聞

趣味・生活 icon 第44回日展の書部門で須坂市北旭ケ丘町の?町恵風(本名喜美恵)さんが念願の初入選を果たした。出品25回目、長年の夢がかない「こんなにうれしいことはありません。あきらめずに出し続けてよかった。最大の理解者で、協力してくれた夫(忠吉さん。一昨年12月に他界)も喜んでいると思う。皆さんに感謝したい」と喜びを語っている。
 書部門には10,385点の応募があり、974点(うち県内から25点)が入選した。日本最高峰の美術公募展であり、入選率は1割以下という狭き門。それだけに全国の書道家がこの日展を究極の目標にしている。
 ?町さんの受賞作品は万葉集の中から秋を詠んだ2首(秋風に山とびこゆるかりがねのこゑとほざかるくもかくるらし/もみぢ葉をちらすしぐれのふるなべによさへぞ寒きひとりしぬれば)をしたためたもの(写真)で、「線の流れ、墨の配分など、誰が見ても納得する素晴らしい作品」との評価を得た。
 ?町さんは市内南原町出身。小学生低学年のころ、当時の須坂町公民館で開かれていた書道教室で故北島靖啓さん(春木町)の指導を受け、書道人生がスタートした。中学・高校と書道部に所属、社会人となって、北島さんが主宰していた紫苑(しおん)会に入り本格的に学び始める。半世紀を経て、今は同会の会長を務め、ほかに全国組織の青丹(あおに)会常任理事、県内では信州かな書道会会長、県展審査会員、県カルチャーセンター講師などの要職にあり、書文化の向上に尽力している。
 現在?町さんは青丹会会長の吉川美恵子さん(奈良教育大教授)の指導を受けながら、書に励む日々。「吉川先生の書風や人柄に強くひかれ、書の勉強意欲が増しました。若いころの北島先生、今の吉川先生、素晴らしい先生と出会えて、ご指導いただいたことは私の何よりの財産であり、感謝の気持ちでいっぱいです。これからも体の続く限り、書の道を究め、書道をたしなむ人たちが増えるよう努めていきたい」と話している。
 なお、日展は12月9日まで東京・六本木の国立新美術館で開催。その後、7月7日まで京都〜名古屋〜大阪〜福岡〜富山〜青森を巡回して開く。

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