日本図書館協会選定図書に

2005-05-11 12:31 am by 須坂新聞

お知らせ icon 江戸時代の長野県を代表する俳人百45人を知名度や業績により3分類し、伝記と秀句を収録する『近世信濃俳人・俳句全集』(A5判、二百五十助)が先ごろ、東京・象山社から発行された。このほど、日本図書館協会選定図書に決まった=写真上。編著者は二松学舎大学教授の矢羽勝幸さん(上田市)と須坂市上町の田子修一さん(写真右、長野商業高教諭)。定価4200円。後世に残る貴重な1冊だ。
 同書は、1万2千人の『長野県俳人名大辞典』の姉妹編的位置づけで、最新の研究成果を取り入れ、限られたスペースに精選された作品や経歴、肖像画を掲載する。作品は春夏秋冬の季別に並べ出典を明記。巻末参考文献では、地域の郷土誌に載った論考や筆者など信頼できる俳人研究にもスポットをあてる。
 田子さんは俳文学会会員で法政大学国文学会会員。著書は『栗生純夫―年譜と作品』(昭和62年刊)『秋山記行―秘境探訪録』(『国文学 解釈と鑑賞』平成2年3月号)など多数。
 平成12年に県国文学会の講演があり、その際矢羽講師から要請され、著名な150人ほどの作品を内外の県立図書館や各地から資料収集。膨大な資料を基に限られた字数にまとめた。県立図書館、市立須坂図書館をはじめ近隣の県立図書館が協力的だったという。前任校須坂高時代の川口豊旗、佐藤寛之、鈴木亮、花房瑞枝、山下智史の教え子5氏が国会図書館などへ通って資料収集のボランティア協力を惜しまず完成に貢献した。
 田子さんは「執筆期間を含めて3年半、多くの方のご協力を頂き、地味な作業を正確に行い出来上がった。例えば善光寺の俳人路人は、150句集めて半ページに13句選んだ。もったいないがやむを得ない。中野で発見された一茶の新出句など最新情報も145人すべてに反映した。俳人の大半が家業と両立の困難を乗り越えて各地で俳句に打ち込んだことや、伝統的に長野県は文芸に理解があり、意欲的で受け入れる土壌があったことを実感してもらえるとうれしい」と話す。
 須高では高山紫の久保田春耕、小布施六川の寺島夏蕉、白也父子を掲載する。注文は書店へ。

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