【信州岩波講座】寺島実郎氏が「日本の進路」で示唆

2009-08-11 07:00 am by 須坂新聞

趣味・生活 icon 活字文化の活性化や地域社会に根ざした文化活動などを目的に、須坂市に著名な文化人や専門家を招いて毎年夏に開講、今年で11年目を迎えた「信州岩波講座」は2日、須坂市文化会館メセナホールで(財)日本総合研究所会長の寺島実郎氏が「世界潮流と日本の進路」と題して講演、3回シリーズの幕を開けた。約800人が聴講した。

 主催は市、市教育委員会、市文化振興事業団、岩波書店、信濃毎日新聞社、信毎文化事業財団、NPO法人ふおらむ集団999で構成する実行委員会。今回は「日本の自立〜暮らしのベースを再構築するために」を基本テーマに掲げた。
 寺島氏は「戦後の日本人は米国を通じて世界を見るという特殊な時代を生きてきたが、近年は中国を中心としたアジアとの貿易を主とする国に急速に変わってきた。米国はイラク戦争とサブプライムローン問題で巨額の財政赤字を招いた。米国の国債を最も買っているのが中国、米国は中国に依存せざるをえない。世界は多極化し、さらには全員参加型の無極化に向かっているが、実態は米中が世界を仕切っていくというG2論が論じられている。日本は対米関係を見直し、自立の道を探ることが求められている」などと話した。
 また、ロビーではNPO法人ふおらむ集団999が、世界の恵まれない子どもたちに良書をプレゼントしようと「第3回古本市場」を開いた。本の代金として100円以上をカンパしてもらい、日本ユニセフ協会に寄付する仕組み。この日は1,000冊以上の本がずらりと並び、購入者から計25,150円の善意が寄せられた。同市場は開催日ごとに行い、午後1時から本の提供を受け付ける。ちなみに昨年は90,000円を寄付したという。
 なお、第2講座は今月22日に反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏が「派遣村から見た日本社会」、ジャーナリストの堤未果氏が「アメリカが見えると世界が見える〜私たち市民の武器」と題して講演、サイン会も行う。第3講座は9月5日に俳優の菅原文太氏が「風土の力」と題して講演、児童書贈呈式や交流パーティーも行う。両日ミニコンサートがある。また、臥龍塾は9月12日に元沖縄県知事の大田昌秀氏と信濃毎日新聞主筆の中馬清福氏が「日米同盟とは何か〜沖縄の現実から将来像を考える」をテーマに対談と討論を行う。いずれもメセナホールで午後2時から開始する。
 1講座の聴講料は前売り1,000円、当日1,200円。臥龍塾も同様。中学生以下無料。問い合わせは実行委員会事務局のメセナホールTEL026-245-1800まで。

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