旧小田切家住宅が15日開館〜明治の歴史的建物

2016-07-09 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市は、市指定有形文化財で、明治時代の歴史的建物「旧小田切家住宅」(春木町)を文化施設として整備し、15日に開館する。建物などを見てもらうと共に、小田切家に伝わる歴史的資料や、収蔵品を展示したり、ギャラリー(貸しスペース)、昔の生活習慣などを体験する生涯学習、サロンなどの場として、市民や観光客などに利用してもらう。15日は午前11時から開館セレモニーを行う。15日午後1時〜5時と16日午前9時〜午後5時に無料開放する。
 旧小田切家住宅は、石橋のある長屋門、ぼたもち石積みの基礎に白壁の土蔵が並ぶ屋敷で、約1,300平方メートルの敷地に母屋、店、上店、土蔵4棟、水車小屋、庭園などを備えている。
 小田切家は、豪商として、幕末まで町年寄りや須坂藩の御用達を務めていた。建物は明治3(1870)年の須坂騒動でほとんどが打ち壊されたと伝えられている。
 その後、製糸業などを営んだ事業家の小田切辰之助(1839〜1904年)が現在の建物を再建したとされ、製糸業で栄えたころの須坂の歴史や、建築様式、暮らしぶりなどを伝えている。
 水車小屋では、須坂で初めて水車動力による繰糸の実験が行われたと考えられ、須坂の機械製糸発祥の地といわれている。
 母屋(木造2階建て、延べ約320平方メートル)は塗り屋造りで、屋根は北側が切り妻、南側が入り母屋の瓦ぶき。茶の間、中間、北の間、座敷、奥座敷、台所、土間などを備えている。見学して往時の生活の様子などを感じてもらうと共に、交流、憩いの場とする。各種講座や体験イベントなども随時行う。
 店(木造2階建て、延べ約140平方メートル)は塗り屋造りで、切り妻瓦ぶき。1階は入館口ホール。カフェを備え、有料で飲み物と茶菓子を提供する。市内業者の各種オリジナル和洋菓子や、製糸業に関連したシルクのタオルや化粧品なども販売する。
 上店(木造2階建て、延べ約60平方メートル)は作品展やイベント等の貸しスペース(キッチン、トイレ付き)。
 土蔵は展示室、多目的スペース、収蔵庫。展示室は小田切辰之助の製糸業や銀行設立などに関わる資料や、小田切家の日用品などを並べる。
 開館記念として8月末まで、ことし102歳を迎える日本初の女性報道写真家・笹本恒子さん(神奈川県)の写真展を開き、土蔵や上店に、笹本さんが撮影した著名人や歴史的出来事などの写真を展示する。
 なお、同住宅は、指定管理者の須坂市文化振興事業団(理事長・中沢正直副市長)が運営する。
 開館時間は午前9時〜午後5時(1〜2月は午前9時半〜午後4時半)。木曜日休館(祝日の場合は開館)。入館料300円。中学生以下と70歳以上は無料。同館☎026-246-2220。
 同住宅は昭和の終わり頃から空き家となっていた。市が建物を所有者から譲り受け、土地は購入し、創建期に近い形に復元修理した。設計・監理は信濃伝統建築研究所、施工はマツナガ建設。総事業費は約2億7,500万円(うち国補助金等1億5,200万円)。

2016-07-09 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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