2016-09-03 07:00 am by 須坂新聞
須坂市は28日、仁礼小学校体育館を会場に総合防災訓練を開き、一般市民をはじめ、行政・消防関係者、市と災害時応援協定を結んだ団体や機関などから約700人が参加、各種の訓練や体験に取り組んだ。
須坂市の訓練は、昭和56年8月23日に仁礼地区の宇原川で発生した土石流によって10人が犠牲となった「五六災害」を教訓にしようと、同日を「市民防災の日」に定め、直近の日曜日に4中学校区を巡回して開いている。
この日は前日からの雨でグラウンドが使えず、実施項目を減らして、炊き出し・応急救護・避難情報伝達などの訓練や地震などの体験を行った。
このうち、応急救護訓練では消防本部職員から毛布やTシャツを使った応急担架の作り方の説明を受け、実際に人を乗せて、その耐久性を確かめた。Tシャツは両方の袖を脱いでそのまま2本の棒に通し、何枚もつなげることで背丈ほどの長さになり、参加者は「Tシャツだけでもしっかりしていた。緊急時には皆で協力することが大事。Tシャツも役に立つことがわかった」と話していた。
また、応援要請訓練では、県内市町村災害時相互応援協定に基づき、三木市長が長野市の加藤市長に電話で応援を要請、防災ヘリコプターが出動した。
参加者の一人で、去る8月18日夕方の局地的豪雨による豊丘地区への避難準備情報で、住民2人を受け入れた豊丘地域公民館長の小山秀司さんは「当日、自分の住む場所(本上町)では雨が降っていなかったので、避難準備情報発令と聞いてびっくりした。住民の女性2人が家にいるより安心だからと公民館に避難してきた。災害はいつどこでどのように起こるか分からないことを痛感し、公民館の必要性も再認識した」と話していた。
8月18日は、市役所付近では夕方と夜に各0.5mm降っただけだが、豊丘ダムでは午後4時〜5時に42mm、5時〜6時に15mm、五味池では4時〜5時に72mm、5時〜6時に48mmと、短時間に猛烈な降水量を観測した。
訓練終了式で、三木市長は「多くの皆さんに参加していただいたことに感謝したい。災害は忘れたころではなく、必ずやってくると認識している。避難指示や避難勧告は空振りを恐れずに出していきたい。いざ災害が起こったら職員だけでは対応しきれない。皆さんの協力が不可欠。訓練で体験したことを地元で活用していただき、感じたことを市に提言して」と呼び掛けた。
また、荻原敏雄区長会長(相之島町区長)は「須坂市と災害時の応援協定を締結した団体が数多くあり、心強い。訓練を積み重ねることで防災意識が高まり、どう行動すればわかってくる。これからも内容を充実させて、一人でも多く訓練に参加できるようにお願いしたい」と講評した。
この日は、市の訓練に合わせて、仁礼町区が区民の避難訓練を実施、45人が参加した。
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