長野県には、標高1,000メートルを超える高原から清流沿いの林間サイトまで、実に多彩なキャンプ場が点在しています。個人的な経験では、同じ長野県内でも北信・中信・南信でまったく異なるキャンプ体験ができることに驚かされます。
夏でも朝晩は肌寒いほどの涼しさ、満天の星空、そして北アルプスや八ヶ岳といった日本を代表する山岳景観。これらが揃う長野のキャンプ場は、初心者からベテランまで多くのキャンパーを惹きつけてやみません。
ただし、エリアによって標高差や気候条件が大きく異なるため、事前の情報収集が快適なキャンプの鍵を握ります。この記事では、長野県内の主要キャンプ場をエリア別に整理し、それぞれの特徴や選び方のポイントをまとめました。
この記事で学べること
- 長野県は標高差1,500m以上あり、エリア選びで夏の気温が10℃以上変わる
- 北信・中信・南信・東信の4エリアごとに異なるキャンプスタイルが楽しめる
- 高規格キャンプ場から無料の野営地まで予算に合わせた選択肢が豊富
- 標高1,500m以上のサイトでは真夏でも最低気温が15℃を下回ることがある
- 初心者は設備充実の高規格サイト、経験者は穴場の林間サイトが満足度が高い
長野キャンプ場選びで知っておきたいエリアの特徴
長野県は南北に約212km、東西に約120kmと広大な面積を持つ県です。キャンプ場を選ぶ際に最も重要なのは、まずどのエリアに行くかを決めることだと感じています。
北信エリアは野尻湖や斑尾高原など湖畔キャンプが充実しています。中信エリアは上高地や乗鞍高原に代表される本格的な山岳キャンプが魅力です。南信エリアは駒ヶ根や阿南町など比較的温暖で、ファミリー向けの施設が多い傾向があります。そして東信エリアは軽井沢や菅平高原など、避暑地としての歴史が長くアクセスの良いキャンプ場が揃っています。
北信エリアのおすすめキャンプ場

北信エリアは長野県の北部に位置し、妙高・黒姫・野尻湖周辺に個性的なキャンプ場が集まっています。標高600〜1,000m前後のサイトが多く、夏場の平均気温は25℃前後と過ごしやすいのが特徴です。
戸隠キャンプ場
戸隠連峰の麓、標高約1,200mに広がる長野県を代表するキャンプ場のひとつです。牧場に隣接した広大な敷地にフリーサイトとオートサイトが設けられており、開放感は県内随一といっても過言ではありません。戸隠神社の参拝と組み合わせて訪れるキャンパーも多く、自然と歴史の両方を楽しめるロケーションが魅力です。
戸隠連峰を望む開放的な高原サイト
高原キャンプ場
長野ICから車で約60分
¥1,000〜5,000程度
4月下旬〜11月上旬
フリーサイト・オートサイト
7月〜8月の平日が狙い目・混雑を避けてゆったり過ごせます
野尻湖周辺キャンプ場
野尻湖は標高約654mに位置する天然湖で、湖畔にはいくつかのキャンプ場が点在しています。カヌーやSUPなどのウォーターアクティビティと組み合わせられるのが最大の魅力です。湖面に映る黒姫山の景色は、朝靄の中で見ると息をのむ美しさがあります。
湖畔でウォーターアクティビティを満喫
湖畔キャンプ場
信濃町ICから車で約10分
¥1,500〜6,000程度
4月下旬〜10月末
湖畔サイト・カヌー体験
9月の紅葉シーズンは湖畔の景色が格別です
中信エリアのおすすめキャンプ場

中信エリアは北アルプスの玄関口として、標高1,500m以上の本格的な高地キャンプが楽しめるエリアです。松本市や安曇野市を起点に、上高地・乗鞍・白馬方面へアクセスできます。夏場でも最低気温が10℃台前半まで下がることがあるため、防寒対策は必須です。
上高地小梨平キャンプ場
日本屈指の山岳リゾート上高地の中心部に位置するキャンプ場です。標高約1,500mの梓川沿いにあり、穂高連峰を間近に望むロケーションは他に類を見ません。マイカー規制があるため、沢渡か平湯からバスまたはタクシーでのアクセスとなりますが、その手間を補って余りある絶景が待っています。
穂高連峰を目の前に望む日本最高峰のロケーション
山岳キャンプ場
沢渡バスターミナルからバス約30分
¥800〜(テント1張)
4月下旬〜11月中旬
テントサイト・ケビン
荷物は最小限に・バス移動のため軽量装備が快適です
乗鞍高原キャンプ場
乗鞍岳の東麓、標高約1,200〜1,500mに広がるキャンプエリアです。乗鞍高原には複数のキャンプ場があり、それぞれ特色が異なります。温泉施設が近くにあるキャンプ場も多く、登山やトレッキングの後に温泉で疲れを癒せるのは大きな魅力です。
温泉とセットで楽しめる高原キャンプ
高原キャンプ場
松本ICから車で約60分
¥1,000〜4,000程度
5月〜10月
オートサイト・温泉隣接
ご来光バスで乗鞍岳山頂を目指すプランが人気です
南信エリアのおすすめキャンプ場

南信エリアは伊那谷や天竜川沿いに位置し、長野県内では比較的温暖な気候が特徴です。中央自動車道からのアクセスが良く、名古屋方面からのキャンパーにも人気があります。ファミリー向けの高規格キャンプ場が充実しているのも南信エリアの強みです。
駒ヶ根高原家族旅行村アルプスの丘
中央アルプス千畳敷カールへのロープウェイ駅にほど近い、ファミリーに人気のキャンプ場です。区画整備されたオートサイトに加え、ケビンやバンガローも充実しており、キャンプ初心者でも安心して利用できます。場内にはアスレチック遊具もあり、子どもたちが飽きることなく過ごせる環境が整っています。
千畳敷カールへの拠点に最適なファミリーサイト
高規格ファミリーキャンプ場
駒ヶ根ICから車で約5分
¥3,000〜8,000程度
3月下旬〜11月末
オートサイト・ケビン・バンガロー
ロープウェイの早朝便に合わせた前泊利用が効率的です
阿南町キャンプ場(深沢峡)
長野県の最南端に近い阿南町にある、天竜川の支流沿いのキャンプ場です。比較的知名度が低いため混雑しにくく、静かな環境でキャンプを楽しみたい方に向いています。渓流釣りのポイントも近く、イワナやアマゴを狙う釣りキャンプの拠点としても優れています。
穴場の渓流キャンプで静寂を楽しむ
渓流キャンプ場
飯田ICから車で約60分
¥500〜2,000程度
4月〜11月
渓流サイト・釣りキャンプ
渓流釣りの遊漁券は事前に地元の釣具店で購入しておきましょう
東信エリアのおすすめキャンプ場
東信エリアは軽井沢・佐久・上田・菅平を含む地域で、東京方面からのアクセスが最も良いエリアです。上信越自動車道や北陸新幹線を利用すれば、都心から2〜3時間で到着できるキャンプ場が数多くあります。
ライジングフィールド軽井沢
軽井沢の豊かな森の中に位置する、グランピングからテントサイトまで幅広いスタイルに対応したキャンプ場です。企業研修やチームビルディングにも利用されるほど設備が整っており、初めてのキャンプで不安がある方にも安心の環境です。軽井沢駅からの送迎サービスがある点も、電車キャンパーにはありがたいポイントです。
初心者にも安心の高規格グランピング対応
総合アウトドア施設
碓氷軽井沢ICから車で約25分
¥3,500〜15,000程度
通年営業
グランピング・テント・ティピー
冬キャンプデビューにも最適・通年営業で冬季プログラムも充実
菅平高原ファミリーオートキャンプ場
標高約1,300mの菅平高原に位置し、夏の平均気温が約20℃という涼しさが最大の魅力です。ラグビーの合宿地として有名な菅平ですが、キャンプ場としてのポテンシャルも非常に高いエリアです。広々とした草原サイトからは、根子岳や四阿山を望むことができます。
真夏でも平均気温20℃の天然クーラー
高原オートキャンプ場
上田菅平ICから車で約30分
¥2,000〜5,000程度
5月〜10月
草原オートサイト・登山拠点
根子岳への日帰り登山と組み合わせると充実度が倍増します
長野キャンプ場の標高別気温の目安
長野県のキャンプ場選びで最も見落としがちなのが、標高による気温差です。これまでの取り組みで感じているのは、標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がるという基本法則を知っているだけで、装備選びの失敗が大幅に減るということです。
標高別の8月平均最低気温(目安)
たとえば、東京の8月の平均最低気温が約25℃であることを考えると、標高1,500mのキャンプ場では約9℃も低いことになります。日中との寒暖差も大きいため、レイヤリング(重ね着)できる服装を準備しておくことが重要です。
キャンプスタイル別の長野キャンプ場の選び方
長野県のキャンプ場は、求めるスタイルによって最適な選択肢が大きく変わります。ここでは代表的なキャンプスタイル別に、選び方のポイントを整理しました。
ファミリーキャンプ向け
小さなお子さん連れの場合は、トイレや炊事場が清潔に管理されている高規格キャンプ場を選ぶのが満足度を高める近道です。場内に遊び場やアクティビティが用意されているキャンプ場なら、子どもたちが飽きることもありません。
駒ヶ根高原やライジングフィールド軽井沢のような施設は、売店やレンタル品も充実しており、忘れ物があっても現地で対応できる安心感があります。
ソロキャンプ向け
一人で静かに自然と向き合いたい方には、南信の渓流沿いキャンプ場や、北信の比較的マイナーなサイトがおすすめです。混雑を避けるなら、平日利用が基本です。
経験上、ソロキャンプでは携帯電話の電波状況を事前に確認しておくことが大切です。長野県の山間部では圏外になるエリアも少なくありません。
登山ベースキャンプ向け
北アルプスや八ヶ岳への登山を計画している場合、前泊地としてキャンプ場を利用するスタイルが効率的です。上高地小梨平や乗鞍高原のキャンプ場は、登山口へのアクセスが良く、早朝出発にも対応しやすい立地です。
長野キャンプ場で快適に過ごすための持ち物チェックリスト
長野県ならではの環境を考慮した、持ち物の確認リストをまとめました。一般的なキャンプ装備に加えて、以下の項目を意識すると快適度が格段に上がります。
長野キャンプ場の必携アイテム
特に見落としがちなのが地面からの冷気対策です。標高の高いキャンプ場では、地面の温度が想像以上に低く、寝袋の保温性能だけでは対応しきれないことがあります。厚手のマットを敷くだけで、睡眠の質が大きく変わります。
初めての方へのおすすめ
初めて長野県でキャンプをする方には、以下のキャンプ場から始めることをおすすめします。
🏆 ライジングフィールド軽井沢
東京から約2時間半のアクセスの良さ、通年営業、レンタル品の充実度、そして初心者向けプログラムの豊富さが群を抜いています。グランピングプランを選べば、道具を持っていなくてもキャンプデビューが可能です。
🏆 駒ヶ根高原家族旅行村アルプスの丘
ICから車で5分という抜群のアクセス、整備された区画サイト、場内の遊具やバンガローなど、ファミリーが安心して過ごせる環境が揃っています。千畳敷カールへの観光も組み合わせやすいロケーションです。
🏆 戸隠キャンプ場
広大なフリーサイトで開放感を味わいたい方に最適です。牧場隣接の立地で子どもも楽しめ、戸隠神社や戸隠そばといった観光要素も豊富。長野県らしいキャンプ体験を凝縮したような場所です。
長野県は須坂エリアをはじめ、各地域に独自の魅力を持つキャンプ場が数多く存在します。まずは自分のキャンプスタイルとアクセスのしやすさを基準に、最初の一歩を踏み出してみてください。
長野キャンプ場に関するよくある質問
長野県のキャンプ場のベストシーズンはいつですか
一般的には7月中旬から9月上旬が最も快適な時期です。ただし、標高の低いエリア(500m前後)であれば5月のゴールデンウィークから10月の紅葉シーズンまで幅広く楽しめます。標高1,500m以上のキャンプ場は、6月下旬から9月中旬がおすすめです。10月以降は朝晩の冷え込みが厳しくなるため、冬キャンプの装備が必要になります。
予約なしで利用できるキャンプ場はありますか
一部のフリーサイトや公営キャンプ場では予約不要で利用できるところもあります。ただし、夏休みやゴールデンウィークなどのハイシーズンは、予約制のキャンプ場でも満サイトになることが珍しくありません。確実に利用するためには、少なくとも1〜2ヶ月前の予約をおすすめします。人気のキャンプ場は予約開始日に埋まってしまうこともあるため、早めの情報収集が大切です。
長野県のキャンプ場で熊の心配はありますか
長野県はツキノワグマの生息域に含まれるエリアが多く、山間部のキャンプ場では熊との遭遇リスクがゼロとは言えません。食料の管理を徹底すること、生ゴミを放置しないこと、夜間にテント内に食料を持ち込まないことが基本的な対策です。多くのキャンプ場では管理者が熊情報を提供してくれるため、受付時に確認するのが良いでしょう。熊鈴の携帯も有効な予防策です。
車なしでもアクセスできるキャンプ場はありますか
上高地小梨平キャンプ場はバスでのアクセスが基本のため、車がなくても問題ありません。ライジングフィールド軽井沢は軽井沢駅からの送迎サービスがあります。また、戸隠キャンプ場も長野駅からバスで約1時間でアクセス可能です。ただし、荷物の運搬を考えると、レンタル品が充実しているキャンプ場を選ぶか、最小限の装備で臨むのが現実的です。
冬でも営業している長野県のキャンプ場はありますか
通年営業のキャンプ場は限られますが、ライジングフィールド軽井沢は冬季も営業しています。冬キャンプは長野県の魅力を別の角度から味わえる貴重な体験ですが、最低気温がマイナス10℃以下になることもあるため、十分な防寒装備と経験が必要です。初めて冬キャンプに挑戦する場合は、電源サイトやストーブ付きのコテージを利用するなど、段階的にステップアップすることをおすすめします。
