須高唯一の家電量販店の閉店で新たな動きも

2008-11-24 07:00 am by 須坂新聞

工業・商業 icon 家電量販店のラオックスヒナタ須坂店(須坂市墨坂南)は12月初旬に閉店する。親会社ラオックス(本社東京都)が県内で運営するラオックスヒナタ(長野市)5店舗の閉鎖に伴うもの。須坂店は須高唯一の家電量販店だが、隣接市での大型店進出に伴う競争激化などで経営が悪化した。「気軽に行ける店の閉店は残念」との市民の声がある一方、価格や品ぞろえなどで苦戦してきた市内の家電店は経営を盛り返すチャンスにもなる。
 ラオックスヒナタは電機機器製造の日南田電機(長野市)と、家電のラオックスが業務提携し昭和63年に設立。相次ぐ大型店進出に、店舗規模や価格面での競争力で劣り、7期連続で赤字となり、ラオックス本社は債務超過で自主再生が困難と判断した。
 本社は事業を店舗ごとに他社に譲渡する方針だが、須坂店の譲渡先は未定。従業員は5店舗で正社員53人、パート・アルバイト15人だが、来年1月初旬で解雇の方針。同社は「12月中に従業員を含めて譲渡先や譲渡金額を確定したい」としている。
 一方、ラオックスヒナタ閉店の動きに、利用客が市内の家電店に流れる動きがある。市内のグリーンポートマツモト(松本恵社長、東横町)は「ラオックスヒナタ開店で売り上げは半減した。品ぞろえや価格ではかなわないので、アフターサービスに徹してきた。閉店で多くのお客様が来てくれる。今後もサービスの充実と人とのつながりを大事にしたい」と話している。
 市民の反応として▽OA機器の事務用品や電球など買うのに便利。なくなると困る(30代女性)▽長野市の量販店に行くが、普段必要な物を買う時は便利だった(30代男性)▽丁寧でサービスが早い電気店を利用しているので影響はない(70代男性)―などの声。
 須坂商工会議所では「撤退は地域の経済・雇用面でマイナス。残念だが、地元商店が盛り返すチャンスでもあり、各店には企業努力をお願いしたい」と話している。
 地域の家電店は価格や品ぞろえでは大型店には劣るが、顔の見える『町の電気屋さん』として地域に密着しており、大型店にはないアフターサービスが充実。ラオックスヒナタ撤退を機に、商品知識や品ぞろえなど商店の魅力、個性を発揮するチャンスとなり、この好機を生かさなければ隣接市の大型店に消費者が流れる心配がある。市民に喜ばれるサービスを目指すことが地域の活性化につながる。   (大硲記者)

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