2012-03-31 07:00 am by 須坂新聞
県は、独自の「森林(もり)の里親促進事業」によって間伐された森林のCO2年間吸収量を評価認証する制度に基づき、23日、山林所有者の仁礼会(須坂市)と「森林(もり)の里親契約」を結ぶ「グローブライド」(旧ダイワ精工、東京都東久留米市)に「森林CO2吸収量認証書」を交付した。同社への交付は3年目。平成21・22年度分と23年度分の合計168tのCO2吸収を本年度分として認証した。
仁礼会が所有する山林約1,700haの年間CO2吸収量は、数年前の試算で約3,500tと推定される。
CO2年間吸収量の計測は、本年度の間伐作業が終わった昨年秋に専門業者が行った。手を入れた森林面積×蓄積増分×拡大係数×容積密度×炭素含有率×CO2換算係数によって算出した。
施業(対象)面積は64.57ha。認証された168tの内訳は、過去2年分(施業面積24.73ha分)48.3t、本年度に作業した39.84ha分119.7t。
グローブライドは釣りやテニス、サイクルスポーツなどの用品を製造、販売する。創業50年を超える。従業員は本社640人、世界4,800人を誇る。
峰の原高原で長年にわたり、テニス大会やマウンテンバイク大会を主催、後援し、地域づくりにも協力してきた関係から、平成17年度に仁礼会と「森林の里親契約」を結び、年間100万円(初年度は300万円)を間伐や作業道維持など仁礼会が行う山林事業に寄付している。
平成18年6月にはコナラを植樹した。翌19年7月からは植樹した一帯で仁礼会の会員と一緒に枝打ちや下草刈りなど山の手入れにも参加している。
一方、17年9月からは、次年度に入社する若者の内定式を仁礼会館で行っている。式の後、県林務担当者から講義を受け、仁礼会役員らの指導で山に入って大木伐採体験など自然体験を積み、自然と共生を図る社業に入っていくという。
認証式に出席した同社の田村正己コーポレートコミュニケーション室長は取材に「23年度は大幅に手を入れていただき、吸収量が多くびっくりしている。以前植樹したコナラは1mから3mほどに成長している」と話す。
同社は社会貢献活動も活発で、本社のある東久留米では市のイベントなどで子供の釣り大会などを積極的に手伝っているという。
経営理念にもうたい、販売する商品との関係で自然保護の大切さも認識している。
仁礼会の駒津行雄理事長は取材に「間伐作業をするとCO2吸収量が増えることが実証されている。手を入れることで地球温暖化防止に貢献できる。また認証制度で社会的に認めてもらうことは大変大事なこと。次への力にもなる」と話す。
2012-03-31 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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