2013-11-16 11:22 am by 須坂新聞
須坂市沼目町の勝山勲さん(85)は今年2月、東日本大震災で救助活動に奔走する自衛隊員の活躍を描いた50号の油彩画「命をさがせ」を陸上自衛隊多賀城駐屯地(宮城県)に寄贈。その厚意に対して、このほど、同駐屯地が勝山さんに感謝盾を贈った。
勝山さんは自衛隊員が被災者の大きな力となり、感謝されていることをテレビなどで知り、深く感動。被災地復興の願いと共に、自衛隊員の姿を後世に残したいと強く思い、絵筆をとった。勝山さんが審査委員長と称する妻の松子さんも「被災地の写真はいくつもあるが、絵はこれしかない」と後押し、完成した作品を市を通して同駐屯地に寄贈した。
市役所で行われた感謝盾の贈呈式には勝山さん夫妻のほか、多賀城駐屯地から第22普通科連隊本部の松本栄樹第一科長や安藤孝広報室長らが出席、三木市長らが立ち会った。
贈呈した絵画は同駐屯地の正面玄関に飾ってあり、松本さんらは「救助現場には多賀城駐屯地の隊員もいた。隊員たちは絵を見るたびに自衛隊の任務と責任を認識し、励みとしている。この絵を飾り続け、当時の思いを後世につないでいきたい」と話し、勝山さん夫妻は「感謝盾をいただくことは言葉にならないほど、こちらが感謝している。自衛隊員に敬意を表すると共に、将来この大惨事が風化することがないよう、気持ちを込めて描いた。これからもがんばってほしい」とあいさつした。
勝山さんの作品には命の大切さや助け合いの精神を訴えるものが多く、2004年には中越地震での東京消防庁ハイパーレスキュー隊の活躍を描いた「命尊し」を同庁に寄贈。
今回と同時期には岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」も50号の油彩画で制作し、同市に寄贈している。
また、勝山さんは70歳を過ぎてから独学で絵画を始め、現在も精力的に制作、社会貢献にも尽くしていることなどが認められ、今年9月、年齢にとらわれず、生き生きとした生活を送る「エイジレス・ライフ」の実践者に贈られる内閣府表彰を長野県内で唯一人受けている。
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