【全国味噌鑑評会】須高の5社が入賞〜淡色系、赤色系に総合力で

2019-12-07 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 第62回全国味噌(みそ)鑑評会は先ごろ、都内で表彰式を開いた。須高の5社が入賞した。糀屋(こうじや)本藤醸造舗(須坂市村石町、本藤浩史社長)は「農水省食料産業局長賞」に。穀平味噌醸造場(小布施町伊勢町、小山洋史社長)と塩屋醸造(須坂市新町、上原吉之助社長)が「全国味噌工業協同組合連合会会長賞」に。中村醸造場(須坂市本郷町、中村元保社長)と土屋味噌醤油醸造場(須坂市東横町、塩田憲一社長)が「中央味噌研究所理事長賞」に輝いた。
 一般社団法人中央味噌研究所主催。12部門に34都道府県から380点(前回46都道府県から406点)が出品された。
 糀屋醸造舗は「淡色系・辛口・粒」の部に出品した銘柄「信州蔵出しみそ」で。
 本藤社長は「県、全国ともに淡色系が評価された。全国は粒、こしの部に2点出品。淡色は素晴らしくいい品ができた。こうじ造りや大豆処理、仕込み、発酵熟成と手を抜かずに造ることができた。造る前には重点テーマを設定し、原点に戻って手をかけた。仕込み混合もつぶさないように混ぜた。7、9月が涼しく、8月が猛暑。よく発酵していい天候条件だった」。
 製造従事者は他に入社6年目の鈴木智博さん(42)。
 穀平醸造場は銘柄「穀平豊醸こし」が「赤色系・辛口・こし」の部で。
 小山社長の設計の下、入社5年目の小山彰博さん(32)と同4年目で今年工場長に就いた中村渚さん(37)が力を合わせた。
 小山彰博さんは「淡色系と赤色系に2点を出品した。淡色系は鮮やかな色を目指したが…。赤色系は味がよかったが見た目は納得いかなかったので、来年に向けて改善したい。高水各社もいい品を造っているのでスキルアップを図りたい」。
 塩屋醸造は銘柄「塩屋のこうじみそ赤粒」が「赤色系・辛口・粒」の部で。
 小林秀久工場長(60)は「淡赤色系と赤色系(粒、こし)に3点を出品。どれも評価された。積み重ねによりさまざまな条件下で安定した高品質製品が造れるようになってきた。赤は色調にさえがあり、味、香り、見た目と三拍子そろい、硬さもよかった。上には上があり、改善点が見えたので満足せず上位を目指して努力し研究したい」。
 製造従事者は他に小林秀寛(ひでのり)さん(46、入社27年目)と上原延之(のぶゆき)さん(40、入社1年目)。
 中村醸造場は銘柄「北信濃まるゆき味噌」が「淡色系・辛口・こし」の部で。
 入社7年目の中村友紀(ゆうき)専務(30)は「淡色2点、赤色1点を出品した。試行錯誤の結果、ようやく淡色系が全国で評価された。おいしさと色の両立が難しかったが、自分たちが思うような仕上がりに持っていける技術力がついてきた。今後は店に来店される県外の人にもみその良さを知ってもらえるようなアピール活動をしていきたい」。
 製造従事者は他に入社15年目の鎌田光大製造主任(32)と6年目の市川典由さん(30)。
 土屋味噌は銘柄「ヤマロクの信州みそ吟醸赤コシ」が「赤色系・辛口・こし」の部で。
 入賞は5年ぶり4回目。赤(粒、こし)に2点を出品した。
 土屋公人取締役兼工場長(40)は「評価してもらい技術者としてはうれしい。他社の品を見てまだまだ奥が深いと痛感した。こうじ造りが一番の基本。見直しや試しをして一つ上が見えてくるのか。もの言わぬこうじ菌にいかに働いてもらうか。求めているものを感じ取る感性を磨いていきたい。データとともに経験値を上げ、幅を広げたい」と話す。

2019-12-07 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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