2020-07-18 07:00 am by 須坂新聞
豊洲小4年松組(25人)は14日、相之島町出身の三木一博さん(79、須坂市高橋町)を講師に招き、地域の水害の歴史や、キティ台風(1949・昭和24年8月31日来襲)の体験談などを聞いた。幾度となく地域住民を襲った過去の災害から、地形の特性や防災に対する意識の持ち方を学んだ。
総合的な学習の時間で『災害』を学び地域を知る授業の一環。三木さんが8歳の頃、キティ台風が襲来した。その年は干ばつで恵みの雨と喜んだが、猛烈な降雨量に。翌朝6時に半鐘が鳴り、2歳の弟と一緒に牛車に乗せられ、両親といったんは相之島の神社へ逃げた。ここも危なくなると、小布施町の親戚の家に避難した。この水害により堤防は決壊。相之島では三木さん宅を含む3軒が流されたという。
水害の歴史については、上高井郡誌、相之島古文書などの資料をもとに、豊洲地区は江戸時代から度々洪水に見舞われ、逃げ遅れによる多数の溺死者や家屋流失が記録に残されている―と説明。「災害は毎年のように起きていた。今の千曲川堤防は昔より高いが、昨年(台風19号豪雨)みたいな越水は始めて。あのような雨は今後も降るだろう。雨には十分に関心を持って」と呼び掛けた。
授業後、児童らは「インターネットで調べても分からなかったことが、実際に経験した話と一緒に聞けて良かった」「避難は早めにしようと思った」と感想を発表した。
担任の酒井直治先生は「昨年の台風では実際に学校が浸水。ハザードマップの浸水想定区域に入っていることも理解した。水害の歴史や体験談を聞き、災害は特別なことではないということを児童一人一人、意識できるようになれば」と話していた。
同校は昨年、登校日の災害発生を想定して、同校体育館に避難し、児童を保護者に引き渡す防災訓練を取り入れた。今年も先ごろ実施。昨年の台風豪雨災害を踏まえ、避難先を北部体育館に変更して行った。
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