2020-12-12 07:00 am by 須坂新聞
2019年度に長野県の地域発元気づくり支援金を活用した517事業の中で、特に魅力あふれる地域づくりに貢献した事業に贈る「地域発元気づくり大賞」に、須坂市を拠点とする「信州須坂紙芝居のさとプロジェクト」が実施した「懐かしくて新しい『紙芝居のさと』づくり?」が選ばれ、このほど、長野合同庁舎で表彰式が行われた。
元気づくり大賞は、地域の元気を生み出すモデル的な事業を優良事例として表彰し、今後の地域づくりの参考にしてもらおうと、毎年度実施している。
信州須坂紙芝居のさとプロジェクトの「懐かしくて新しい『紙芝居のさと』づくり?」は長野地域振興局管内の優良事例として知事表彰を受け、さらに全県審査で大賞を受賞した。今回大賞には富士見町の「区民交流の場再生事業」と池田町の「桑のふるさと再生事業」も選ばれている。
同プロジェクトは、須坂市九反田町出身で街頭紙芝居最後の絵元だった故塩崎源一郎さん(1912〜2000)が須坂市に紙芝居(4作品の約1,000枚)を寄贈したことを知った市民有志が、その紙芝居を複製し、日常的に使える文化財にして「ふるさとを元気にしよう」と、2017年春に結成した。
結成から3年、市立博物館や、塩崎さんの志を継ぐ三邑(さんゆう)会(大阪市)の協力を得て紙芝居700枚を複製し、街頭で上演できる設備を備えた自転車を使ってさまざまな場所で上演したほか、主にシニア世代の演じ手を育成する「信州須坂とことん紙芝居塾」の開講、講演会やまつりの開催など幅広く活動してきた。
その結果、ふるさとの先人の偉業を多くの人に知ってもらうと共に、須坂が「紙芝居のさと」であることが徐々に浸透。さらにはシニア世代の生きがいづくり、学校などでの上演による子どもたちとの世代間交流、福祉施設での上演による地域福祉貢献も図られた。
また、県内の愛好団体や個人との交流が生まれるなど、須坂のみならず、長野県の紙芝居文化の醸成に大きく貢献している。
同プロジェクトのメンバーは50〜80代の40人ほど。須坂市を中心に高山村、長野市、中野市、飯山市、山ノ内町、信濃町、松川村など県内各地から参加する。会長は内藤靖さん=八幡町、副会長は佐藤政世さん=春木町、事務局長は坂口理(おさむ)さん=小山町。当初は市立須坂図書館で活動をスタートさせたが、現在は銀座通り(横町公会堂横)に専用の活動拠点「信州須坂紙芝居のさとギャラリー&カフェ」を構えている。
表彰式では内藤さんらが記念の盾と賞状を受け取り、メンバーが複製した紙芝居作品の「山中鹿之介」「黒熊王子」「ちびっこの冒険」を披露した。
その後、須坂に戻ったメンバーは、表彰式に参加できなかったメンバーと合流。報告式を行い、喜びを分かち合った。
報告式で、内藤さんは「3年間皆さんと共に夢中でやってきて、少しずつ成果が実ってきているという思いはあったが、まさか大賞とは予想もしなかったことで大変うれしい。メンバーや関係する皆さん、そして、昭和の貴重な紙芝居を寄贈してくださった塩崎源一郎さんに感謝したい。紙芝居は使ってこそ生きる文化財。この受賞を励みに、なお一層、紙芝居の複製と普及に努め、多くの人たちを楽しませていきたい」とあいさつした。
続いて、メンバーが「自分が楽しくなければ相手を楽しませることはできない。紙芝居はとても楽しい。ますますのめりこんでいきたい」「素晴らしい仲間の皆さんに恵まれてとても幸せ。仲間の輪をもっと広げていきたい」「コロナが終息して、早く皆の前で紙芝居がしたい」などの感想や抱負を語った。
2020-12-12 07:00 am by 須坂新聞 - 2 コメント
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