大型連休 須高各地に人出〜  昨年より増加も、例年に比べて大幅減少

2021-05-15 07:00 am by 須坂新聞

観光 icon 新型コロナウイルス感染が猛威をふるい、東京や関西の4都府県に3度目の「緊急事態宣言」が発令する中で迎えたゴールデンウイーク。須高地区の人出は昨年の同週間より多く、県外ナンバーも目についたが、2年前までの同週間に比べて大幅に落ち込んだ。須高各地の観光スポットでゴールデンウイークの表情を取材した。
 小布施町の北斎館周辺では4月29日〜5月5日の7連休中、家族や友人同士などで散策する人が多くいた。
 取材した4日、山梨県から家族4人で訪れた30代男性は「小布施のレストランでの食事を目的に来た。毎年のように訪れるが、両県とも宣言外の地域であり、小さな子どももいて家では息が詰まるので来た。天気も良かった」と満足していた。
 群馬県から家族4人で訪れた70代男性は「小布施が好きな娘に誘われて渋温泉で一泊して初めて来た。思ったよりにぎわっていた」、新潟県から訪れた20代の姉妹は「栗のスイーツを食べに来た」と笑顔を見せた。
 北斎館の7連休の入館者数は約1,800人。昨年は臨時休業。2年前の約12,000人に比べて80%以上の減少。同館では「3日がピークの450人が入館したが、緊急事態宣言に伴う移動自粛が響いた」と話した。
 おぶせミュージアムでは期間中の入館者数は2年前の2割ほどの383人。池田清人館長は「コロナ禍だからこそ、芸術を通して自身を見つめる機会にしてほしい」と話す。
 北斎館周辺の土産物店では「店が軒並み閉店していた昨年に比べればはるかにいいが、例年のにぎわいにはほど遠い。団体バスは少ないが、近県から少人数で来る人は多い。コロナ慣れしてきた感じもある」、近隣の喫茶店では「例年並みには戻っていないが、家族など少人数で来店する人が多いと感じた」と安堵していた。
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 好天に恵まれた3日午前10時半ごろ、小布施総合公園(大島)を訪ねると、家族連れなどでにぎわっていた。野外ステージ裏の公園利用者駐車場は、ほとんどが長野ナンバーの車でいっぱいだった。
 青空の下、芝生広場には幾つもテントが張られていた。家族でだんらんしたり、キャッチボールやバドミントンなどで体を動かしながらリフレッシュする光景もあった。
 遊具広場は子どもたちに大人気。ドッグランには愛犬を連れた人たちの姿も多かった。お昼近くになると、人出は一段と増えた印象だった。
 長野市から家族4人で訪れた40代の母親は「もともと連休に旅行をする習慣はない。家でのんびり派。(小学校と幼稚園に通う)2人の子たちは公園に来れば喜んでくれる。きょうは太陽を浴び、発散させて帰ります」と話していた。 
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 須坂市動物園は期間中5,896人が訪れ、にぎわった。2年前の3分の1ほどの入園者数だが、GW中、子育て世代などの受け皿になったようだ。
 須坂市観光協会の本藤浩史会長は「毎年GW中は多くの県外客などが私の店を訪れるが、今年も県外や北信地区の客らでにぎわった。市全体を見ても、例年に戻ったわけではないが、連休の前半、近隣を中心に大勢の観光客が訪れたように感じる」と話していた。
 峰の原高原のペンション経営者は「緊急事態宣言の影響もあり、宿泊客は少なかったが、キャンプ場は県外客でにぎわった。打開策は中々見出せない。県発行の旅行割引クーポンに期待したいが、一番はコロナワクチンが行き渡ることだと思う」と話している。
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 信州高山村観光協会は「(4都府県に)緊急事態宣言が出た4月下旬は桜の時季も終わって閑散としていたが、雷滝がオープンした5月からは人が流れていた」と印象を語る。屋外レジャーが注目される中、山田牧場キャンプ場の関係者は「家族連れを中心に予想よりも利用客は多かった」と話した。
 同観光協会によると、旅館宿泊については、通常よりも稼働客室や受け入れ人数を減らしている施設が多く「制限の中では宿泊客を確保できたようだが例年のGWには及ばない」と説明。営業を縮小している旅館経営者の一人は「通常なら3カ月前には予約がいっぱいになるが、今年は1週間前まで埋まらなかった」と話した。

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