【令和4年文科相表彰】創意工夫功労者賞にオリオン機械から6人

2022-04-23 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(4賞)の一つ「創意工夫功労者賞」にオリオン機械(須坂市幸高、太田哲郎社長)の「板金加工組み立て工法の改善」と「オイルフリーポンプ加工工程の改善」が選ばれ、技術の改善向上に貢献した6人に賞状とメダルが贈られた。林宏行県産業労働部長が18日、県庁で出席した5人に伝達した。
 同賞は、勤続5年以上で高卒以下の者の職域における科学技術の進歩・改良等の貢献に贈られる。
 審査の結果、全国で479人が授賞。県内では同社の6人が選ばれた。
 「板金加工組み立て―」は、試作開発部試作技術グループNC係の7人が担当する。
 1枚の金属板から製品部分を切り出す際に製品部分にヘリ(ミクロジョイント)が含まれるが、3DCAD(コンピューター利用設計システム)のデータを活用してヘリの位置を変えたことでバリ取りが不要となり、後加工が削減された。
 また、板金はめ合わせ組み立ての際にはめ合わせの形状を工夫することでネジによる仮締め作業が省略された。さらに、板金の位置出し、直角出し作業を簡略化(調整レス化)し、工数と時間を削減した。
 一方の「オイルフリーポンプ加工―」は、生産技術部専用機グループの10人ほどが担当する。
 機械加工の工程改善では、加工プログラムを全て見直し、順番や無駄な加工動作を減らした。ドリルの種類を変え、加工ツールを見直し工数減を図った。ピン穴を開ける際は特殊工具を使い加工時間を減らした。実加工から、加工シミュレーターに変更し、事前に問題点を話し合い、改善スピードを短縮した。
 年間の工数削減効果は、板金―で780万円。改善総加工時間はオイル―で992分短縮(34%削減)した。
 授賞者は「板金―」が花井径子(みちこ)さん(96年入社、須坂市福島町)、池森雅美さん(97年入社、須坂市五閑町)、小田切早苗さん(99年入社、須坂市出身・長野市)。「オイル―」が山岸勇人(ゆうと)さん(06年入社、中野市)、青木淳さん(79年入社、山ノ内町)、山口直人(なおと)さん(17年入社、小布施町)。
 池森さんは「名誉ある賞の受賞はうれしい。後工程のやりやすさなどに一丸となって取り組めた」。青木さんは「適正な工具を選定してプログラムを組み、工程を工夫しながら加工時間を短縮した。今後は後進の指導に力を入れ、新しい加工方法を追求したい」と伝達式で語った。
 林部長は「改良・改善の課題解決に尽力され、絶え間ない努力が認められた。コロナ禍にあってもDX(デジタルトランスフォーメーション)やグリーンイノベーションに対応せざるを得ず、本県のものづくりが発展するよう研さんを含め後進のご指導をお願いしたい」と期待した。

2022-04-23 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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