店じまいと開業支援一手に

2023-02-18 09:59 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市地域おこし協力隊で空き家・空き店舗の利活用促進を主な任務として活動する鎌倉美恵子さんは、昨年4月に閉店した紳士洋品店(馬場町)から依頼を受けて在庫品を整理(のみの市で販売・イベント活用)し、店内を片付けた。一方、空き店舗活用を希望する人に物件を紹介。権利移転契約後の開業支援(設計補助・手配)まで「閉店と開店」を一手に引き受けている。店は美容院になる予定だ。
 同店舗は店舗併用住宅の1階で床面積740平方メートル。店内には礼服・スーツ・ズボン・ワイシャツ・ニット製品など商品の他、カウンターや商品陳列棚、マネキン、ハンガーなどがあったという。
 在庫品はのみの市やフリーマーケットで販売。売り上げを廃品の処分費用に充てた。マネキンなどは欲しい人へ無償提供して片付けを進めた。
 活動最終年度(3年目)の鎌倉さんは、任務に就いた令和2年4月、所有者の急逝によりそのままになっていた、桜木町通りの旧洋品店(北横町)の片付けに携わった。在庫衣料品等を有償販売し、売り上げを家財道具の処分費用に充てた。
 前職ハウスメーカー時代にリフォームの技能(塗装・内装作業、図面作成等)や工事の手続き(書類作成等の流れ)、業者の手配を実地に学んで身につけたという。
 「お客様から聞かれたことは答えられるように勉強した。今は片付けが済み、忙しい設計者に代わって大工さんと打ち合わせたり、伝えたり設計補助をしている。現場チェックが済み、着工を待つ段階」(鎌倉さん)
 店の前所有者は中島靖子さん。鎌倉さんに依頼したきっかけは、鎌倉さんが講師に招かれ活動を紹介した令和3年6月の市民学園講演会。学園生で聴講した中島さんが講演後のアンケートに思いを記したことに始まる。
 「うちも利活用してほしい」。鎌倉さんはすぐに中島さんに会い、在庫整理から引き受けたという。
 一方、空き家・空き店舗を活用して開業したい希望者に紹介を続けた結果、契約にこぎ着けたという。
 中島さんは13日の取材に「市民学園の講演を聴いて3日目に鎌倉さんから電話があった。やる気満々を見てこの人なら任せてもいい。いろいろ知っている」と信頼を寄せた。
 中島さんの店(ヤングナカジマ、中島稔代表)は昭和56年ころ須坂ハイランドから馬場町に移転した。創業は同45年6月、東横町。
 「店の場所は移ったが51年間営んだ。いい時代に商売ができた。(鎌倉さんの活動があって)思ったより早くやめられた。店じまいはできる時にやらないと。スムーズにいった」(中島さん)
 鎌倉さんは「片付けの手伝いから、入る人を探してオープンまでの両方はなかなか携わることができない。最後の年にいい形で実った」と取材に語った。

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