【須坂市2023年度当初予算案】5.8%増 263億8,000万円

2023-02-25 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 須坂市は21日、総額263億8,000万円の2023年度一般会計当初予算案を発表した。前年度当初比5.8%増。災害時の指定緊急避難場所整備に伴う市清掃センターごみ焼却施設の解体工事や、順調に伸びている信州須坂ふるさと応援寄付金(ふるさと納税)が予算規模を押し上げ、過去2番目に大きい編成となった。子育て支援の拡充や防災減災対策の強化、DXや脱炭素の推進、産業振興、観光誘客による地域活性化などに重点を置いた。    (予算特集は2月25日号須坂新聞6面に)
 子育て・教育で、自然体験や子どもの居場所づくりを推進。居場所づくりは、民間との連携や地域公民館の活用などを構想する。
 福祉医療費給付金(医療機関などの窓口負担分を一部助成)の対象拡大に3億2,000万円を計上。15歳から18歳まで広げる。公立保育園の3歳児保育の加配保育士配置基準を園児18人以上から16人以上に緩和する。
 子育てをしながらでも働きやすい職場環境の整備を目指す市内事業者を支援する補助金を新設。中学校部活動の地域移行に向けて協議会を立ち上げる。
 防災減災では、災害時の車両の指定緊急避難場所を確保するため、清掃センターごみ焼却施設の解体工事に8億3,000万円を盛った。老朽化する庁舎の建て替えに備えて基金を創設し、積み立てを始める。19年の台風災害を踏まえ、相之島町のコミュニティ・タイムラインを作る。
 福祉の充実を図るため、社会問題になっている孤独・孤立対策に取り組む。
 ポストコロナを見据えた新時代への転換として、紙媒体をできるだけ削減するため印刷製本費を徹底的に見直した。電子申請サービスなどを活用したメニューの充実も図る。脱炭素社会に向け、住宅用蓄電システムへの補助や公共施設の照明器具LED化も進める。
 国の交付金を活用した地方創生推進事業では、須坂アートパークイベント広場整備や米子大瀑布を中心とした情報発信、民間と連携した農作物などの販路拡大、施設のオンライン予約システムの構築などを推進する。
 24年春に大型商業施設の開業を控える須坂長野東インター周辺開発に伴う道路整備には、2億1,173万円を計上した。
 歳入は、市税が22年度当初比1.8%増の62億5,200万円。個人市民税は3.7%増の23億7,867万円、法人市民税は9.4%減の4億4,052万円、固定資産税は2.1%増の26億7,553万円を見込んだ。地方交付税は同額の51億円。国庫支出金は4.4%減の28億4,227万円。寄付金は、ふるさと納税の好調が続くと見込み25.0%増の20億50万円とした。
 市債(借金)は、ごみ焼却施設の解体工事に緊急防災・減災事業債を活用することから、72.6%増の20億1,450万円とした。
 23年度末の市債残高見込みは、22年度末比3億500万円減の203億7,600万円。うち約137億円は、後年度の元利償還時に地方交付税などで補填(ほてん)されるため実質的な負担額は約67億円。基金(貯金)残高は79億9,800万円と試算する。

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