2023-04-01 07:00 am by 須坂新聞
須坂市議会は3月定例会最終日の3月24日、2023年度一般会計当初予算に対し、豊丘小学校プール廃止の方針撤回などを求める付帯決議を全会一致で可決した。
決議では、21年度の実施が決まっていたプール改修工事について「20年度に『市小中学校のあり方検討会議』が設置されたことから、小規模校である豊丘小プールの改修工事が見送られたという経緯が3月定例会委員会審査の中で初めて明らかにされた」と指摘。
ここ数年はプールの劣化などで授業時に児童がすり傷を負う事故が発生し、学校関係者やPTAから改修工事の要望が繰り返し出されていたとした上で、「市はプール改修工事を見送る方針や経緯を公表しないまま今年3月、PTA役員会に突然、新年度は同校のプールを廃止し、他校へのバス移動で授業をするという方針を表明した」とも指摘した。
こうした経過から、「プール廃止を撤回した上で、関係者に対して経緯と対応について丁寧に説明すること」を要望。「公教育は子ども一人一人を大事にすること、子どもが大事にされていると思えるようにすることが目的」とし、早急に必要な予算措置を講じて、改修工事の実施を求めている。
付帯決議を巡っては、22日の予算決算特別委員会に久保田克彦議員ら3人が決議案を提出し、全会一致で採択。本会議で岡田宗之委員長が提案理由を説明した。
市教育委員会は豊丘小プールを廃止、高甫小プールを共用する方針を示し、市は当初予算に代替運営費46万円余を計上している。
小林雅彦教育長は取材に「(決議を)大切に受け止めたい。廃止を取り下げ、保護者の皆さんに丁寧に説明していく」と説明。23年度に実施する代替運営や他市の状況などを踏まえながら「市全体の水泳学習のあり方を1年間かけて検討していく」とし、23年度に検討会議を立ち上げる考えを示した。
なお、市議会はこの日、市提案の総額263億8,000万円の23年度一般会計当初予算など33件を原案通り可決・同意した。議員提案の最低賃金法の改正と中小企業支援策の拡充を求める意見書は反対多数で否決した。
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