2023-06-03 07:00 am by 須坂新聞
梅雨や台風などの出水期を前に、須坂市で23日、行政、警察・消防、地元区など関係者による「重要水防箇所現地調査」が千曲川沿いの各所で行われた。
参加者は国土交通省千曲川河川事務所、県須坂建設事務所、須坂警察署、須坂市、須坂市消防本部・消防団、地元区の区長ら。相之島排水機場を皮切りに千曲川上流に向かって八木沢川樋門、旧相之島保育園、村山緊急資材庫、福島水防倉庫、中島水防倉庫、百々川・鮎川合流付近を調査した。各場所ごとに地元関係者も加わり、施設の確認や備品の点検などが行われた。
現地調査後、消防本部で行った検討会では各機関が報告。このうち、市総務課の斉藤英之危機管理担当課長は「昨年6月から、千曲川の水位レベルが中野市の立ヶ花観測所で警戒レベル4相当の9.2mに達する可能性がある場合は国土交通省と気象庁が氾濫危険情報を発表することになった。今までより最大3時間早まり、それぞれの機関で早め早めの対応をお願いします」などと呼び掛けた。
なお、須坂市や小布施町を含む千曲川流域市町村では令和元年10月の台風19号を教訓に国・県と連携して「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」を進行中で、須坂市分の堤防強化工事は下流側が完了、上流側で現在工事が進められている。
一方、須坂市では住民が災害予測時に取るべき行動を示す事前防災行動計画「コミュニティ・タイムライン」の策定も進めており、北相之島町区で昨年完成するなど、地域を水害から守る取り組みがハード・ソフトの両面で行われている。
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須高3市町村の消防団で組織する須高消防協会(会長=中村公彦須坂市消防団長)は28日、須坂市福島町の福島スポーツ広場で「水防工法訓練」を行い、3市町村の消防団員、須坂市消防本部職員ら164人が参加、県須坂建設事務所職員から指導を受けた。
訓練は、集中豪雨や台風などによる水害発生時に備えようと、毎年この時期に開催していたが、コロナの影響で中止が続き、今回4年ぶりに実施した。
最初に基本作業の土のう作りとロープワークを全員で行い、続いて、「釜段工」と「月の輪工」と呼ばれる工法を学んだ。
須高地区では、令和元年10月の台風19号で千曲川が決壊して甚大な被害を受け、さかのぼれば、昭和56年8月の台風で須坂市仁礼地区の宇原川で土石流が発生、市民10人が犠牲になった「五六災害」など、大きな水害に見舞われた歴史がある。
このため、消防団員の水防に関する知識と技能を高める訓練は重要で、中村会長は「4年ぶりに訓練ができてよかった。近年の災害は身近で起きた台風19号のように想定を超えるケースが多々あり、いざという時迅速に行動するためにも、こうした訓練を積み重ね、3消防団の連携、個々の技術向上など、習熟度を高めていきたい」と話している。
2023-06-03 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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