2023-07-15 09:40 am by 須坂新聞
須坂市の小中学校の適正な規模・配置のあり方を検討する「市小中学校適正規模等審議会」(勝山幸則会長、委員20人)は6日、第8回会合を旧上高井郡役所で開いた。今後の学校再編を考える中で、小学校から中学校まで9年間の一貫教育を推進する「義務教育学校」や学校選択制の一つ「特認校制」について意見を交わした。
市内では、少子化により児童生徒数が減り、学校の小規模化が進行。学級数の減少が教員数の減少に直結するため、教科の専門性の担保や教員の負担軽減の面で、専科教員の配置が喫緊の課題となっている学校もある。
会合では、市教育委員会が義務教育学校や特認校制について説明した。委員は一般的なメリット、デメリットなどを踏まえ、年度内に予定する答申に向けて位置づけを考えた。
義務教育学校(種類=施設一体型、施設分離型)は1人の校長の下、一つの教職員組織が置かれ、9年間の系統性を確保した教育課程を編成・実施する。
委員からは「一つの学校の中で子どもたちの育ちや学習の保障をしていける」、「質の高い教育が提供できる」と前向きな意見があった。一方で「人間関係の固定化が心配」との指摘も出た。
特認校制は、特定の学校に通学区域に関係なく就学できる制度。特認校制を小規模校で実施する「小規模特認校」について、委員からは「公教育の中では難しいのではないか」、「児童生徒を奪い合うことになる。慎重に考えた方がいいのでは」との声が上がった。一方「地域が新しい教育をしていく面では有益。既成概念を超えていかなければならないのでは」との意見も出た。
他にも、小規模化が顕著な東地区の現状に危機感を示し、早急な対応の必要性を指摘する声が上がった。
委員の一人は、児童生徒数が減少する状況下で、教員配置について「これまでの配当基準だけでなく、市として思い切った判断をして教育の質を維持する必要があるのではないか」と話した。
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