2023-10-14 07:00 am by 須坂新聞
須坂市豊丘地区で6日、耕作放棄地を活用して栽培したポップコーン用トウモロコシ(爆裂種)の収穫体験イベントがあった。耕作放棄地の解消と農業の多様な担い手確保を目的に、主催したNPO法人や企業の関係者、県内外の大学生、地元の園児ら約80人が参加した。
トウモロコシ栽培は若者世代の農業参加や耕作放棄地の利活用を推進するNPO法人シナノソイル(長野市)と、長野市など全国でセレクトショップ「フリークスストア」を展開するアパレル企業のデイトナ・インターナショナル(東京都)が連携して取り組む。
昨年、長野市松代地区で栽培に着手し、家庭でも手軽に食べられるポップコーンやビールなどの商品にして販売。今年は新たに豊丘地区を加えて栽培した。市地域おこし協力隊の村田健児さんが協力し、そのさとホール近くの耕作放棄地約20アールで育てた。
イベントでは、参加者がトウモロコシをもぎ取ったり、芯から実を外したりする作業を体験した。散歩途中に立ち寄った豊丘保育園の園児も飛び入り参加し、その場で作った出来立てのポップコーンを味わった。
慶応義塾大2年の中島幸乃さんは「耕作放棄地にとっては、こうして期間限定で農業に関わることも大事ではないか。農地のシェアリングができたら面白そう」。早稲田大2年の浅井詩萌(しほ)さんは「農業の課題を実際に見たり聞いたりすることで、自分にも何かできるのではないかという着想を得ることができると思う」と話した。
シナノソイル理事長の君島登茂樹さんは「全県にこの活動を広げていきたい。来年は伊那市でも取り組む」と説明。同理事で日本ポップコーン協会長も務める渋川駿伍さんは「(若者が)農業の担い手になるだけでなく、それをどう伝えていくかも大事。携わり方はさまざま」と意義を示した。
デイトナ・インターナショナル執行役員でブランディング本部長の清宮雄樹さんは「やり方次第で課題が魅力に変わる。若者が気軽に農業体験ができるような仕掛けも準備している」と語った。
収穫したトウモロコシを使った商品は、フリークスストアの販路を中心に販売する。
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