2023-11-03 07:00 am by 須坂新聞
須坂市仁礼町出身の坪井昭久さん(56、東京都)が監督・脚本を務める映画「野球ユーチューバー有矢」の上映が10月27日から、長野市の千石劇場で始まった。上映初日の舞台あいさつで坪井さんは「物語の面白さだけではなく、見る人を引き込む“本物の野球”にこだわった。リアルなプレー描写も含めて自信がある」と思いを語った。
坪井さんは須坂高から、映画監督を目指して大阪芸術大に進学。2005年からテレビ番組やドラマのディレクターとして活動を始めた。学生時代は陸上に打ち込んだが「幼い頃から野球も好きだった。野球部に入部しなかったことが大人になってからも心残りだった」と、社会人になってから草野球を始めたという。
今作は自身の草野球チームで出会い、16年にプロデュースした「野球YouTuber向(むこう)」さんが動画配信者になるまでの実話を基に描いた。映画監督を志す映像ディレクター大谷の草野球チームに、野球の才能と持ち前の明るさで人生を乗り切ってきた有矢が入団。2人で野球専門のユーチューブチャンネルを開設し、さまざまな困難に立ち向かっていくストーリー。
初日の舞台あいさつには坪井さんや作品のモデルになった向祐哉さん(33)などが参加した。坪井さんと高校の同窓生で落語家の春風亭昇乃進さん(56、山ノ内町出身)が司会を務め、巧みな話術で会場を沸かせた。
主要キャストは高校や大学、社会人チームなどで競技経験のある俳優を起用。野球のシーンは俳優が直接演じ、「野球経験者だからこそ表現できる細かい動きなどにもこだわり、納得できるものが撮れた」と坪井さん。
「(向さんの活躍に)プロデュースしたのは自分なのに、と嫉妬している部分もあった。自分も作り手として活躍して見返したいというのが活動の原動力になった」と語った。
向さんは「幼い頃はプロ野球選手やお笑い芸人を目指していた。少し形は変わったが、諦めなかったので夢がかなった。作品や自分の活動を通じて、子どもたちに夢や目標に向かって継続することの大切さを伝えたい」と話していた。
坪井さんは「(初監督作品の封切りに)うれしい気持ちはあるが、まだまだ通過点だと思っている。これからもさまざまなジャンルに挑戦したい」と意欲をのぞかせている。
同館での上映は9日まで。問い合わせは☎026-226-7665。
2023-11-03 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント
Tweet© 須坂市公認ポータルサイト・いけいけすざか. ALL Rights Reserved. Privacy Policy