2024-06-08 07:00 am by 須坂新聞
須坂市豊丘小学校は5月29日、総合的な学習の授業で、近くの離山(はなれやま)に伝わる民話の舞台を歩いた。豊丘地域づくり推進委員会事務局長の小林道男さん(77、豊丘上町)が3〜6年生の「さぐるチーム」19人を案内しながら、民話を語った。児童は竜がいたと伝わる物語の世界に引き込まれた。
登り始めてすぐ、平たい板状の岩が積み重なる登山道が現れた。小林さんは「板状節理(ばんじょうせつり)と呼ぶ。離山はこの山肌が特徴」と説明した。児童は竜の背のような岩の道を、滑らないよう気をつけながら前に進んだ。途中、標高634m地点に到達し、東京スカイツリーと同じ高さと聞くと、児童は「そんなに高いところに登っているの?」と驚いていた。
頂上には、離山不動尊が奉られており、不動尊の歴史にも耳を傾けた。
小林さんは社殿に飾られた紙芝居を見ながら、「昔、灰野村(現在の豊丘村)の畑を荒し回っていた2匹の竜が、お坊さんのお経と、娘の投げつけた剣によって鎮まり、雄竜は離山に、雌竜は臥竜山になった」と穏やかな口調で語った。
佐藤翔悟さん(6年)は「保育園の時に登った山。民話は知っていたけど、女の人が短剣を投げたことは知らなかった。新しい発見だった」。後藤咲花(そら)さん(同)は「家族でたくさん登ったことがある。不動尊の歴史も知れて良かった」とうれしそうだった。
降り口には竜が大きな口を開けたような形の岩があり、小林さんは「竜のしっぽから顔までを歩いて来ました。離山はまるで全体が竜のような形をしていたことが分りましたね」と締めくくった。
同校は3〜6年生までの総合的な学習の授業を2班に分けて活動している。もう一方の「つくるチーム」はこの日、近くの田んぼで農家に教わりながら田植えを体験した。
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