2024-06-08 07:00 am by 須坂新聞
須坂市の市民有志でつくる「須坂子どもの学びを語る会」(町田重夫代表)は5月31日夜、豊丘地区で小中学校の再編を考える懇談会を開いた。同地区には市内で最も小規模な豊丘小(本年度の児童数51人)がある。保護者や住民ら約30人が参加し、活発に意見を交わした。
市内の学校再編を巡っては、市小中学校適正規模等審議会がまとめた答申を基に、市教育委員会が本年度、基本方針案の作成を進めている。
審議会では、子どもの学びのあり方検討会議の提言と、それを基に市教委が作成した「新しい学びの形(須坂モデル)」の実現に向け、今後のあり方を議論。市民や保護者、教職員、児童生徒へのアンケートなども実施し、小中一貫教育の推進や多様な価値観と出合える学校規模、学校数・学区の見直しなどを盛り込んだ内容を提言している。
1学年あたりの学級数は小学校2〜3学級・中学校4〜6学級、1学級あたりの人数は小中学校ともに30人以下20人以上が望ましいとし、再編は市全体を対象に、まずは学校の小規模化が喫緊の課題となっている地域から優先的に取り組むこと―としている。
懇談会では審議会の答申書や、同会が市教委に提出した地域の実情に即した適正規模や地域の魅力を生かした学校の重要性などを示す意見書の内容を説明。統廃合をせずに小規模校同士が連携して学校を維持している岐阜県山県市の試み「山県方式」も紹介した。
意見交換で、児童の保護者の一人は現状に対し「デメリットの方が多いように感じる」と発言。別の保護者は「今後入学する子どもがいる家庭がどう思っているかも重要。市民の声を丁寧にくみ上げてほしい」と望んだ。
豊丘小の存続を望んでいるという住民は「地域コミュニティーの基礎として学校がある」と主張。別の住民は「みんなが納得して進んでいくためにも、いろんな方策を取ってほしい」と要望した。
PTA役員経験者の一人は「思いやる気持ちがあってこその多様性で、自己主張が先にきてはいけない。相手を認める教育をしてほしい」と切望。再編については「子どもたちが、より良い環境の中で学習できるかが大切」と強調した。
同会は今後、懇談会で出た意見を踏まえ、市教委に要望書を提出する予定。「保護者や地域の声を聞く場を設けてほしい」(事務局)などとしている。
市教委は、7月下旬に事務局職員や小中学校の校長、教職員らでつくる策定検討委員会を設置する。その後、有識者を加えた策定委員会を設けて原案をまとめる方針だ。委員会は非公開の予定。
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