“成長の夏“小学生と高校生が「通学合宿」

2024-07-27 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市井上地域公民館を拠点に16日から4泊5日の日程で、市内の小学生と高校生が共同生活を送る「通学合宿」があった。井上小学校の4〜6年生26人と須坂東高校・須坂高校の2、3年生19人の計45人が参加。親元から離れて自立した生活を経験した。
 親や大人に頼れない環境下で、責任感や仲間と協力し合う大切さを学ぶことが狙い。一般社団法人信州古民家再生プロジェクトが主催した。企画運営は、教育や子どもと関わる仕事に興味がある高校生が担った。
 合宿では5班を編成し、食事や入浴、就寝準備などで高校生が小学生をサポート。朝は公民館から学校に通い、授業が終わると公民館に「帰宅」した。
 夕食作りは各班が日替わりで担当。17日は8人が協力して、約50人分のチンジャオロースーと豚汁を作った。小学4年の中島未紗さんは、自分たちで作ったおかずを頰張り「料理が楽しかった。おいしい」。須坂東高3年の大山佳弥乃さんは「子どもたちは少しサポートするだけで、できることが増えていく」と語った。
 毎日の入浴は、市内の温泉施設を利用したほか、地域住民の風呂も借りた。16日、竹内勉さん(九反田町)宅には5人が訪問。順番待ちの間は、竹内さん夫妻と会話をしながら交流した。
 小学5年の戸谷日和さんは「昔は田んぼがいっぱいあったことなど、今まで知らなかった地域の話が聞けて良かった」。竹内さん夫妻は「同じ地域にいても、こうして子どもたちと話をすることはないので良い機会になった」と話した。
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 20日の解団式では、各班代表の児童や生徒が合宿を振り返った。小学4年の早河昊太朗さんは班長の一人。取材に「最初は親から離れての生活に緊張したけど、高校生の話をよく聞いて一緒に楽しく過ごせた。積極的に行動できるようになった」と答えた。
 須坂高2年の藤井美妃(みさき)さんと須坂東高2年の古川樹羅さんは、合宿長を務めた。児童たちがスケジュールを把握し、自ら率先して行動できるようになった姿を見て、成長を感じたという。
 藤井さんは「改善点などを話し合う中で細かいところまで目を配れるようになった。私自身に欠けている計画性も備わった」。古川さんは「全て自分で背負い込んでしまう性格だけど、合宿を通してみんなと共有し合い、協力して作業ができるようになった」。達成感が胸に込み上げ、あふれる涙をこらえきれなかった。
 同プロジェクト代表で市地域おこし協力隊の井上陽介さんは「小学生も高校生も大きく成長した」と目を見張った。高校生が企画運営に関わる通学合宿は珍しいとし、「“責任感”が高校生たちを想像を超えるほど成長させた。よく頑張ったと思う」とねぎらった。

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