2024-08-03 07:00 am by 須坂新聞
須坂市は7月28日、市内に残る蔵の町並みが国の「重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)」に選定される見通しとなったことを受け、記念シンポジウム「わたしたちの町並みを未来へ引き継ぐために」を市生涯学習センター3階ホールで開いた。基調講演とパネルディスカッションを通じて、市民らが保存地区の町並みの特長や価値を学び、今後のまちづくりを考えた。市内外から約110人が参加した。
基調講演は、これまで須坂の町並み保存に関わってきた国学院大学観光まちづくり学部長で教授の西村幸夫氏と、信州大学工学部教授で須坂市伝建保存審議会長の土本俊和氏が講師を務めた。
西村氏は今後のまちづくりのアイデアとして、「中町の辻」(現在の中町交差点)を中心とした「十文字のまちの構造が際立つように」と助言。点在する大規模な町家をつなぐことも提案した。
土本氏は須坂の特長の一つに、2006年から始まった「蔵の町並みキャンパス事業」を挙げた。重伝建選定に向け、産学官民連携の取り組みが「緊張感を持たせたのではないか」と述べた。
パネルディスカッションは、学識経験者や地域住民、行政の立場でパネリスト5人が登壇した。住民のうち、須坂景観づくりの会理事長の小林義則氏は、地域に愛着を持つために「建物の修復工事などをする際に素人や子どもでもできる作業があれば参画させてほしい。所有者の方の思いも聞きたい」と要望。
ゲストハウス蔵代表の山上万里奈氏は、今後保存地区内で空き家や空き店舗を活用する事例が増加すると予想し「重伝建エリアの良さや価値を分かった人が活用していくことが重要」と語った。
市の重伝建を巡っては、5月に国の文化審議会が文部科学大臣に選定を答申。今後官報告示を経て、正式に選定される予定だ。
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