【須坂市】ふるさと納税返礼品ブドウの産地偽装

2025-03-22 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 　須坂市は18日、ふるさと納税の返礼品として提供していたシャインマスカットの産地名に不適正表示があったと明らかにした。市の返礼品を取り扱う日本グルメ市場（本社・和歌山県有田市、長野営業所・須坂市小島町）が、山形県産などのシャインマスカットの産地を偽って販売していた。市は今後、外部有識者による第三者検証委員会を設置し、原因究明と再発防止対策の徹底を図る。
　同日、総務省と農林水産省が須坂市の返礼品に産地偽装があったことを発表。市も市役所で記者会見を開き、これまでの経緯などを説明した。農水省は食品表示法に基づき、日本グルメ市場に対し、表示の是正や原因の究明・分析の徹底、再発防止対策などを指示。総務省は地方税法に基づく報告を市に求め、対応を検討する。
　農水省によると、日本グルメ市場は山形県産シャインマスカットと認識していたにもかかわらず、発送箱に「長野県産」と表示し、少なくとも2019年9月〜23年10月にかけて市に販売。さらに、少なくとも24年9月〜11月には長野市、中野市、千曲市産と認識していたにもかかわらず、発送箱に入れたリーフレットに「須坂市で収穫したフルーツ」と表示し、市に販売していた。
　市が総務省に報告した資料によると、山形県産が混在していた重量は19年6月〜24年9月の5年間で約11.8トン。寄付受け入れ相当額は約1億2,350万円（約1万件）に上る。県内他市産の混在量は調査中という。
　市によると、市は24年10月下旬〜12月中旬にかけて、日本グルメ市場から報告を受け産地偽装の事実を把握。一方で、今年2月末まで寄付募集は継続していた。その後方針を切り替え、3月10日までに返礼品を取り扱うポータルサイトでの募集を全て停止した。
　三木正夫市長は記者会見で「当市の事業者がこのように行政指導を受けたことは極めて遺憾。寄付をいただいた皆さま、返礼品取扱事業者など関係者の皆さま、市民の皆さまに多大な心配と迷惑をおかけした」と陳謝。
　偽装把握後の市の対応については「農水省の調査結果と措置を待って対応を検討する方針だった。決して産地偽装の継続を認めていたものではない」と釈明した。
　市は再発防止に向け、第三者委員会を設置して検証を進めるほか、返礼品取扱事業者への定期的な実地調査や抜き打ち検査、法令順守の徹底などに取り組む方針。三木市長は「あらゆる方面での改善が必要。信頼回復に向け全身全霊で取り組んでいく」と述べた。
　市は7年ほど前から日本グルメ市場と取引しているが、現時点では同社との取引を中止する考え。また、市は同社に今秋開業予定のイオンモール須坂内に設置する「須坂市ブース（仮称）」の業務も委託しているが、今後の対応については「検討中」とした。【関連記事3月22日付須坂新聞3面に】