長野刑務所、増築1期工事完成で見学会

2005-05-26 12:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市馬場町の長野刑務所(山口勝所長)は7日、近隣の住民らを対象に施設見学会を開き、昨年度の増築工事(一期工事)で新たに完成した収容棟などを公開した。

 増築工事は約25億円を投入、三階建ての収容棟一棟、職業訓練棟二棟、浴室棟一棟などを建設した。また今年度も二期工事で同規模程度の増築工事を行う計画で、収容定員は1,100人規模になると見られている。
 施設見学会には、馬場町、田の神町などの近隣住民約70人が参加、独居房が多数配置された収容棟や職業訓練棟などを見学、建物の窓部分に目隠しが設置され、建物内から収容者が外の様子を見ることのできないことを確認した。
 見学後、参加者は所内の講堂で昨年同刑務所が製作した「更生への道」のビデオを視聴し、刑務所側から矯正施設の実情等の説明を聞いた。
 刑務所側は▽長野刑務所は昭和35年に長野市から移転し、施設の老朽化が進んでいること▽平成11年から全国の行刑施設で収容者が急激に増えて、定員を超える収容状態になっている▽増築を進める一方、山口県、鳥取県等で新しい刑務所をつくる事が決まり、山口県では19年春完成予定で民間活力を利用したPFIによる収容施設を設置する。

 ▽長野刑務所は平成15年に、年齢26歳以上の男子で執行刑期八年未満の犯罪傾向の進んでいない収容者の施設(収容区分A級)に変更となり、収容者の増加で6人の雑居房に八人を、独居房に2人を収容するなどして対応してきたが限界に達し、昨年度増築工事に着手した▽今年度も収容棟(280人収容)、職業訓練棟等を同規模で増築する計画▽635人だった収容定員は200人増えて835人になったなどと説明した。

 参加者から▽今後の施設計画はあるのか▽所在地の須坂市と刑務所の名称が違うが、名称の変更は考えられないのか▽須坂市などから移転要請はあったのか▽塀など建物耐震性はどうなのかなどの質問が出された。
 これに対して刑務所側は▽今年度、二期工事を行うがそれ以上はないと予想している▽名古屋、鹿児島など所在している市町村と刑務所の名称の違う刑務所がある。名称の変更は組織に関わる問題でそう簡単にはいかないと思う。
 ▽ずっと以前に、青年会議所等から市内の北の方にという要望があったと聞いているが、須坂市、青年会議所等が各種の状況等を考え、協議して「現地でやむなし」との判断に至ったと聞いている▽昔のレンガ造りの塀と違い、現在のコンクリート製の塀は、震度7程度までは耐えられるとされている。蔵のまち須坂市に考慮した外壁のデザインで塀を改築した―などと説明、理解を求めた。
 また参加者から、もっと分かりやすく地域に情報を提供してほしいなどの要望があった。

2005-05-26 12:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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