2006-09-10 07:00 am by 須坂新聞
須坂市は、持続的発展可能なプロジェクトを立ち上げ、土地利用のあり方などの調査研究を進めている。その一環で職員を対象に30日、長野高専の浅野純一郎環境都市工学科助教授を講師に「持続的発展可能な須坂市の土地利用のあり方、中心市街地の活性化、市街化調整区域の土地利用」についての研修会を行った。
地方都市の中心市街地の空洞化が大きな社会問題となり、まちづくり三法の改正が行われ、全国各地で「コンパクトシティー」を概念としたまちづくりの取り組みが始まっている。
少子高齢化社会を背景に第四次須坂市総合計画基本構想の将来の人口フレームを6万人から5万3,500人に下方修正する中、須坂市でも持続的発展可能な都市づくりが課題となっている。
浅野助教授は、須坂市の今後のまちづくりについて、鉄道駅の結節点に位置し、地勢的に独立した都市圏を持っている点から、小粒ながら強い単核型のコアをもった都市づくりを目指すべき。既成市街地の親コアを中心としながら、周辺部に位置する小集落の維持・持続や鉄道駅周辺でのミニTOD(公共交通指向型開発)的開発を考慮する必要がある―と述べた。
中心市街地の活性化について、商業の再生、コミュニティーの維持、まちなか居住、歴史的市街地の保全・再生の持続、福祉のまちづくり、観光資源の活用の考え方を示し、まちなか居住については、戸建て住宅の建て替え支援、低層戸建て住宅や中層以下での共同住宅によるまちなか居住像の確立が必要とした。
須坂版コンパクトシティーの樹立のためには、線引き制度の維持は必要不可欠であり、調整区域の広範囲にわたる規制緩和は考えるべきでない―と述べた。また、郊外の集落景観の維持を図るためには集落景観のガイドラインをつくるべきだ―などとした。
市は、市街化調整区域内の集落維持のために都市計画法で認められているミニ開発の導入も検討している。
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