湯っ蔵んど改善策報告へ〜あり方研究会

2008-10-27 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 湯っ蔵んどあり方研究会は17日、市役所で最終の会議を開き、市長へ提出する報告書案を協議した。「健康に軸足を置いた健康・福祉・観光の拠点」「利益を出す運営」「実働部門組織、経営顧問会議の設置」などで経営改善を進め、市は「指定管理者制度で経営主体を公募し、指定期間の3年間を経営改善期間とし、3年後の支出が基金(2億5,000万円)を超え、一般財源の負担を要する場合は閉鎖も選択肢として検討する」とした。
▽平成16年度から債務超過に
 報告書「湯っ蔵んどの現状と今後の展望」は、7月の委嘱から10人の委員が6回の会議と3回の作業部会を開いて経営課題や見直し策など探った。
 会長の平尾勇長野経済研究所調査部長は「余力のあるうちに方向を決めることができた。今後は3年間を区切って見直すことなどで深く傷を負わないよう市民と行政が情報を共有して進んでほしい」と述べた。
 市ふれあい健康センター「湯っ蔵んど」は市が整備し、(株)須坂健康福祉ランドが経営する。平成9年10月末の開館以来、10〜13年度は入館者が30万人を超え、14年度まで黒字が続いた。15年度から3期連続で赤字を出し、18、19年度は黒字だが、16年度から債務超過に。
 19年度決算の経営分析では、入浴と宴会部門が黒字で、死海の水や売店、喫茶、賃貸・遊具等は赤字。固定費が1億9,000万円余かかり、損益分岐点は2億9,000万円余と高く、それ以上の売り上げがないと黒字にならない。顧客1人当たりの収入は936円で、支出の946円を下回っている。
 研究会は将来像を推計し、1.緊縮型 2.設備有効利用型 3.経営改善型―の3類型を想定した。 1・2・3ともに5年後、10年後の収支はマイナスだが、10年後の累積債務が最も少ない 3を選択し、想定した商圏の1次(地元・近隣)2次(北信)3次(東京・名古屋)に合わせて対応する顧客中心主義により利益確保を図る―とした。
 経営方針は、最大限の経営改善▽市の「生涯健康都市すざかの実現」や観光ビジョンとの整合性▽PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)の徹底実施▽マーケット志向の経営▽公益性と収益性の両立▽近隣類似施設との明確な差別化―など図るとした。

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