2010-10-30 07:00 am by 須坂新聞
須坂園芸高造園クラブ(鈴木幸クラブ長、24人)が設計した「臥竜公園緑化プラン」がこのほど、第21回緑の環境デザイン賞(財団法人都市緑化基金、第一生命保険主催)で優秀賞に当たる緑化大賞に選ばれた。臥竜公園を設計した本多静六博士の計画案を基にシダレザクラやモミジの植栽などを提案している。高校生としては初の入賞。副賞として工事費が支払われ、考案した緑化プランが実際に整備される予定で、生徒たちは「自分たちの設計が形になり、地域の役に立ってうれしい」と喜んでいる。
同賞は地域の景観形成や環境保全などを目的に、実在する公共施設での緑化プランを募集。全国の自治体や住民団体などから24点の応募があり、国土交通大臣賞2点、緑化大賞3点が選ばれた。
造園クラブは数年前から同公園の桜の樹勢回復や植栽作業に携わっており、本多博士の「臥竜山公園設計案」を参考に緑化プランを考案した。市立博物館のある北口から動物園西側の弁天滝までの遊歩道を中心に①水生植物②モミジ③ヤマツツジ④シダレザクラ⑤第2の市の花・市の木―の緑化区域に分けた。
①は竜ケ池の水質浄化を兼ねて弁天橋南側の水辺にアヤメやショウブ、アシ、カキツバタ、マコモ、スイレンなどを植える。合わせて⑤のクワやハナミズキ、アジサイ、カンナなども。
②③は弁天滝一帯の山腹にモミジとヤマツツジをそれぞれ200本以上植栽。本多博士の設計案には「モミジ谷となし、松の青葉とモミジの紅葉を池水に映し出したならば美観またなき景勝の地となる」「松林の下は一面にツツジ山の観を呈する」と書かれている。
④は設計案には「一帯をシダレザクラの名所としたい」と書かれていることから、樹勢が弱っているソメイヨシノを補う役割を兼ねて、遊歩道沿いの数カ所にシダレザクラを植える。
生徒たちは7月下旬から設計を始め、夏休み中も桜1本1本の樹勢や弱っている木の病気の原因を調べるなどした。縮尺平面図のほか、現在と工事後のイメージ図も描いて分かりやすくした。
クラブ長の鈴木幸さん(3年、長野市)は「歩きやすさなどの安全性や景観にも配慮した。工事後の変わった姿を見るのが楽しみ」と話した。西沢和平校長は「生徒たちがこれまでの学習を生かし、協力してデザインを作り上げ、より良い公園づくりに役立つことは喜び」とねぎらった。
臥竜公園管理事務所では「本多博士の計画に沿ったプランで、公園美化にもなる」と感謝した。来年初めに工事に着手し、年度内に完成する見込み。
2010-10-30 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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