2012-03-24 07:00 am by 須坂新聞
市スマートコミュニティ事業化検討委員会(委員長・斉藤保典信大工学部教授、委員17人)は、スマートコミュニティ構想普及支援事業(新エネルギー導入促進協議会)の採択を受けた須坂市から諮問を受け、昨年12月から今年2月まで小河原地区4町で「再生可能エネルギーによってスマートファームコミュニティを構築するための事業化可能性調査」を行った。14日、斉藤委員長が三木市長に答申した。
加温ブドウ栽培や生活に必要な地区全体の電力(系統連係、太陽光など)と熱(重油、灯油、LPG、都市ガス)の需要量を調べ、分散型メガソーラーの設置可能性やバイオマスなどでの電力・熱供給の可能性を探った。
調査報告書はA4判80ページほど。同地区のスマートファームコミュニティの方向を①再生可能エネルギーによる持続可能な低炭素農業の実現②地産地消エネルギーを媒体とした強固なコミュニティの再生③寒冷地のエネルギー需給バランス社会の形成―とした。
調査の結果、地区内の太陽光発電想定エネルギー量は年間6,623.3GJ(ギガジュール)。内訳は住宅等が2,287.7GJ、遊休農地が4,335.6GJ。また、太陽熱は4,301GJ。木質系バイオマス(果樹せん定枝)は4,223.8GJ。
一方、需要量は電力が12,200.5GJ、熱が27,906.2GJで合計40,106.7GJ。
この数値から地区内の再生可能エネルギーによるエネルギー代替率は37.8%となり、電力は54.3%、熱は30.5%が自給できることが分かった。
市は「地域内でのエネルギー自給率を高める方向は避けて通れない。体制づくりには社会の動向もあってリスクを伴うが、早いほど有利なこともある。調査結果を生かして基盤づくりを進め、実感することが大事。実証試験をし、実行レベルの計画を作って即スタートしたい」と話す。
メガソーラー設置可能性調査では、地区内遊休農地30地点を踏査し、26地点の4,668㎡で可能とした。
24年度以降、遊休農地や屋根利用による分散型メガソーラー発電などの実行計画を策定し、ブドウハウスの再生可能エネルギー複合利用による周年栽培の実証試験実施、バイオマス(せん定枝)活用システム、規制緩和申請など進めていく。
スマートコミュニティとは、再生可能エネルギーを地域全体で有効に利用するエネルギーの複合活用型社会。
地区内の成人439人が回答したアンケートでは、身近な場所へのエネルギー供給体制の構築を9割近くが重要としている。
2012-03-24 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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