2013-10-12 07:00 am by 須坂新聞
内閣府は「エイジレス・ライフ」を実践している高齢者として、長野県で唯一人、70歳を過ぎてから独学で油彩画を始め、現在も精力的に制作している須坂市沼目町の勝山勲さん(85)を表彰した。勝山さんはこのほど、妻松子さん(84)を伴って、県長野保健福祉事務所(長野市)で内閣府特命担当大臣名の賞状と盾を受け取り、須坂市役所で三木市長に報告した。須坂市からは3年連続の選出となる。
エイジレス・ライフは年齢にとらわれず、自らの責任と能力で生き生きとした生活を送ること。内閣府では、高齢者や高齢期を迎えようとする世代の生き方の参考にしてもらおうと、毎年エイジレス・ライフを実践している高齢者や社会参加活動を積極的に行っている高齢者グループを表彰、今年度は全国の53人と46団体を選んだ。
勝山さんは既に150点以上の作品を描いているが、命の大切さや助け合いの精神を訴えるものが多く、平成18年には中越地震の救出現場を描いた「命尊し」を東京消防庁に寄贈。今年に入って、東日本大震災の被災地復興を願って描いた「奇跡の一本松」を岩手県陸前高田市に、自衛隊員の救助活動を描いた「命をさがせ」を宮城県の陸上自衛隊多賀城駐屯地に寄贈した。
三木市長に受賞を報告した勝山さんは「ありがたいことで、夢のよう。私たち夫婦は2人合わせて1人前、多くの皆さんのご支援ご協力があればこその受賞で、感謝の気持ちでいっぱい。これからもコツコツやっていきたい」と喜んでいた。
また、勝山さんは市長との懇談の場で最近描き上げた20号の「故郷へ帰ってこいよ」を市に寄贈することを申し出た。作品はお盆で帰省した子ども家族を見送る老夫婦をイメージしたもの。
生まれも育ちも須坂の勝山さんは「地方はどこでもそうだが、須坂の人口が減少していることが心配。私の周りでも、子どもが出たままで老夫婦だけの家庭が増えている。故郷はいいところ。いずれは帰って来てほしい」思いを込めた。制作中から市への寄贈を考えていたという。
なお、エイジレス・ライフの表彰者として一昨年はハーモニカの指導や福祉活動を実践している真島一郎さん(上八町)が、昨年は編み物や押し花で地域文化向上に貢献する伊藤俊子さん(北横町)が選出されており、三木市長は「3年連続で須坂市民が選ばれたことは大変名誉なこと。健康長寿や生涯学習の取り組みなど、多くの人たちの参考になり、励みになる。勝山さんもご夫妻で力を合わせて、これからも元気でがんばって」と感謝と激励の言葉を送った。
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