優秀省エネ機器に選定〜オリオン機械が産産官学連携で開発

2014-03-01 07:00 am by 須坂新聞

工業・商業 icon オリオン機械(須坂市幸高、太田哲郎社長)が産産官学連携して開発した「ヒートポンプ式食品乾燥機(ドライマン)」は先ごろ、日本機械工業連合会の第34回優秀省エネルギー機器(10表彰機器)に選ばれた。先月21日、長野市内で成果報告会を開いた。受賞は「日本機械工業連合会会長賞」。4年前の第30回は「ヒートポンプバランス制御(ヒータレス)空調機(PAPシリーズ)」で同賞に輝き、2回目の受賞。
 ドライマンの開発に関わった信大工学部地域共同研究センター、県工業技術センター、長野市商工観光部、パナソニックのアプライアンス社(滋賀県)から8人が出席。同社の太田浩一(ひろもと)、神津和重両開発チームと、テストキッチンでドライマンを使ったレシピ集(食材乾燥方法書)に取り組む女性メンバーら総勢約30人が出席した。
 電気ヒーターを使わず、電気ヒーターを使う従来機に比べ、電力使用量は最大70%削減する。100ボルトの家庭用電源で運転が可能。ヒートポンプサイクルによる冷却除湿が可能なため、発生熱を空気とともに外部に排出する必要がない。熱を内部に蓄熱する構成(特許)で、周辺温度や湿度に影響されない安定連続運転が可能。
 パナソニック洗濯乾燥機の技術を活用。農産物の規格外利用を促し、冬場の業務創出や平準化、地域ブランドづくりに対応する。地域貢献を願う経営者の思いと空調制御、冷凍機技術、断熱技術を駆使した。信大の乾燥ソフト開発支援、県の成分分析支援、長野市のもの作り助成金支援を受けて製品化した。
 報告会で同社の吉岡万寿男専務は「太田チームの下で若手技術者が原形を作り上げ、神津チームに引き継ぎ、女性が力を発揮する。市場に広がるにはストーリーと共感するお客さまが重要。レシピやコストの問題をクリアし、第2章の物語をつくりたい」と述べた。
 平成24年の発売以来全国に100台の販売実績。来期はさらに200台を予定する。

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