須坂創成高校の制服固まる〜来春開校

2014-03-01 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 県教委は先ごろ、市消防本部会議室で「地域とともに須坂新校を考える懇話会」(内藤靖座長、委員21人)を開いた。制服検討実務担当者会(須商・須園教職員6人)がデザインを固めた須坂新校の制服(サンプル)を公開した。色はチャコールグレー(黒に近い)。小出邦宜須坂新校準備委員長(須商校長)は取材に「高校生らしさと落ち着いたデザインで学校生活が送れる」と話す。
 来年4月に開校予定の県須坂創成高校(仮称)は現在、須坂園芸高敷地内に工業科棟を建築中だ。鉄筋コンクリート造3階建て1棟。延べ床面積は約2,300㎡。渡り廊下は鉄骨造、延べ床面積165㎡。基本設計と工事監督は県建設部。設計・監理は伊藤建築設計事務所。本体工事はマツナガ建設。機械設備は旭日管機。電気設備はアイネット。来年1月末完成の予定。
 既に完了したガラス温室は須坂土建工業が、温室ほか除却工事は鹿熊組が施工した。
 工業科棟1階は塑性加工実習室や機械加工・仕上組立実習室、材料実習室、準備室、男女更衣室、男女トイレなど。2階は職員室、職員更衣室、準備室、電気工作実習室、精密加工実習室、MC実習室、基板加工実習室など。3階は自動制御実習室、生産システム実習室、製図室、PC教室、計測実習室、恒温室、準備室。
 新校の教育課程では週31単位の中で、1年次は農業科、工業科、商業科の学科連携として全員が「産業基礎」(2単位)を履修し、産業人としての基礎力を身につける。
 2年次は「学科連携」(仮称、選択科目群、2単位)を設け、生徒の進路に必要な他学科科目が選べる。農業は「農業経営、食品製造、草花」。工業は「工業管理技術」。商業は「マーケティング、簿記、経済活動と法、ビジネス実務」。産業は「植物工場」を設定。
 3年次は「課題研究」(3〜4単位)として、大学卒論のようなイメージで主体的に研究活動を行う。2年次からの先行実施(1〜2単位)も工業科と商業科ではできる。
 各学年では普通・専門科目を学ぶほか、産業基礎、学科連携、課題研究の科目を学ぶ。
 農業科(3学級)はくくり募集とし、2年次からコースを選ぶ。
 果樹、野菜花き、作物の各コースでは、農業の6次産業化や次代を切り開く農業経営を創造する人材を育成する。微生物バイオ、食品製造の各コースでは食品の製造・開発とフードシステムを総合的に創造する人材を育成する。緑地計画、造園技術の各コースでは、地域・観光資源を活用し、自然に配慮した快適な空間を創造する人材を育成する。
 工業科の創造工学科は1学級。デュアルシステム(企業実習による体験学習)を導入。学校と企業が協働して地域産業の核となる人材を育成する。1年次は企業見学や経営者講話など。2年次は3〜5日間を2社で就業体験。3年次は週1日、年間10日程度1社で実践的技術を学習する。
 課外活動では技能検定に挑み、ものづくりコンテストや技能五輪などの学習も深める。
 精密機械コースは、地域主力産業の「金型加工」を想定し、精密加工に特化。高精度の加工技術を有する人材の育成(図面を理解し、高精度加工が行える。CAD/CAMシステムを利用したNC加工が行える)を目指す。
 メカトロニクスコースは、生徒が実際にシステムを構築する学習を行う。生産システムを設計・管理する人材(システム構築=機械加工=とシステム=シーケンス=制御ができる)を育成する。
 商業科は3学級。海外商取引を前提に「ビジネス英語」を導入。ICT(情報通信技術)も使い、1年次は異文化理解、2年次は国際ビジネス理解、3年次は国際商取引を実践。
 農業と工業を融合した技術の「植物工場」は、信大先進植物工場研究センターが支援。
 校歌は外部に作詞作曲を依頼する。校章は生徒コンペ応募作品35点から原案を作る。
 小出委員長は24日の取材に「3学科があるメリットを最大限に生かしたい。中学生の段階で進路についてある程度の方向性を持った上で志願し、学んでほしい。須商、須園両校の伝統を発展させ、期待を裏切らないよう長い目で見て行くことが大事」と話す。
 上高井中学校長会長の堀込明紀常盤中校長は24日の取材に「須坂創成高の全体イメージが説明され、理解されることが中学生や保護者、中学側教職員に選ばれる前提となる。統合までの間に校舎や環境整備の問題もあるが、地域を発展させる優秀な人材を育てることが地域の願いでもあるので、近くに選択肢があるメリットを生かし、興味関心が持てる中学側の進路指導も大事になる」と話す。
 懇話会は平成24年10月以来、1年3カ月ぶりで通算12回目。
 先ごろ、市内と小布施町、高山村の6中学校の1、2年生や教職員に新校の概要を紹介するリーフレットを配布した。長野市や中野市など北信の中学校や市町村にも配布した。
 新校は27年度に須園キャンパスで工業科と農業科が、須商キャンパスで商業科が開校する予定。27年度と28年度は須坂園芸、須坂商業の在校生も両校で学んでいる。29年度は両校に創成高の1〜3年生がそろう。30年度に須園キャンパスに統合し、須商キャンパスは体育施設を使う計画。

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