【東日本大震災から3年】森上小と福島の児童がウェブ交流

2014-03-15 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 東日本大震災の発生からちょうど3年となった11日、森上小学校の6年生63人は、福島県相馬郡の新地町立駒ケ嶺小学校6年生28人と、インターネット電話で授業交流し、原発事故後の生活の変化を聞いたり、未来のエネルギー資源について意見を交換した。また震災発生時刻の午後2時46分、共に黙とうした。
 理科専科の服部直幸教諭(24)は昨年2月、宮城・福島を訪れ、報道では見えてこない被災地の現状をビデオに納め、6学年理科の「人と環境」の単元で取り上げた。11月には、震災当時、南相馬市内の小学校長だった平間勝成さん(南相馬市教育支援センター員)と出会い、福島県浜通り地方最北端の町にある駒ケ嶺小との交流に発展した。
 テレビモニターを挟んで交流が始まると、まずは森上小の児童が、これまでの授業で学び考えた未来のエネルギーについて「もっと技術が進歩すれば太陽熱、水力、地熱、風力などの再生可能エネルギーで日本の電力を100%作れるのでは」「原発は硬いもので囲ったりして安全性を高めれば増えていくと思う」と提言。それに対し駒ケ嶺小の児童は「水さえあればどこでも発電できる水力が環境に優しくていいと思う」「安全神話はない。もう原発はいらない」「原発はない方がいいが、ゼロになると日本の電力が足りなくなってしまうと思うので、中心的な施設だけ残した方がいい」「再稼働は反対」など、さまざまな意見が出た。
 また、食事や学校生活などについて森上小児童が聞くと「畑の野菜は放射能検査をしないと怖くて食べられない」「事故直後は遠足がなくなり、運動会もできなかった」などの返答がある一方、「つらいことばかりだったけど、全国の皆さんの支援があって、今は楽しく暮らしている」といった前向きな発言や、「福島県以外の子どもとこうして原発のことを話し合ったのは今日が初めて。すごくうれしい」という声が続いた。
 授業後、柳原颯汰君は「福島の子はみんな原発に反対かと思ったけど、そうではなかった。いろんな考えがあることが分かった」と話していた。
 服部教諭は「理科の授業だけにとどまらず、震災や原発事故を自分自身の問題として受け止め、将来を見据えた考えを持ってほしいとの思いがあった。震災でさまざまな経験をした子どもたちの生の声は福島をより身近に感じさせ、森上の子の生活の視点も変わるのでは」と話していた。

2014-03-15 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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