野辺の五差路改良が着工〜11月末完成、ラウンドアバウト交差点に

2014-03-15 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市は、出合い頭の事故などが多発する野辺の変則五差路(通称A交差点)を「ラウンドアバウト制御方式」により交差点改良する。ラウンドアバウトとは、円形交差点の一種で、中央島に沿って環状道路(環道)を左方向に一方通行し、任意道路へ流出していく。環道走行車両に優先権がある。施工する須坂土建工業は10日、現地で安全祈願祭を行った。
 同交差点は市道常盤町下八町線、市道米持東中学校線、市道野辺大明神境線がAの字のように交差する。
 工事は今年3月から11月末まで全面通行止め(歩行者も通り抜け不可)で行う。1期、2期工事を連続し、交差点改良と3市道の交点から各100m区間で実施する。事業費は本年度補正予算と26年度当初で合計1億5,000万円を見込む。
 安全祈願祭は勝山昭奥田神社宮司が執り行った。祭事後、中沢正直副市長は「地元は十分承知しているが、進入路と交差点が複雑な場所で、出合い頭の事故もあり、改良が課題だった。北信で初。本格実施は飯田市に次いで県内2例目」。
 豊田清寧市議会議長は「昨年9月市議会で全会一致で可決した。5方向からの危険な交差点で、脱信号機初の交差点となる」。
 また、公益財団法人国際交通安全学会の中村英樹名古屋大学大学院教授は「複雑な形状のA交差点は、通勤時間帯はひやひやだが、道路交通法改正でラウンドアバウトに法的整備がされ、国内でも極めて貴重なその第1号となる。二段階に横断でき、渡りやすい横断歩道など理想に近い設計で完成を楽しみにしている」と述べた。
 信号機に頼らない交差点制御方式として注目されるラウンドアバウトは、県内では飯田市の2カ所に続いて2市目の本格実施。
 メリットに、速度抑制効果と交錯ポイント削減による安全性(重大事故抑制)▽信号による停止が解消され、多岐交差点制御が可能な円滑性(無駄な待ち時間解消)▽信号制御電力がいらない環境性(CO2削減)▽信号設置費・維持管理費等削減による経済性▽災害時や停電時でも発揮する自立性(災害に強い)―が挙げられる。
 祈願祭には野辺町、下八町の両区長や地権者、行政・工事関係者ら35人が出席した。
■須坂市野辺ラウンドアバウト交差点の幅員等
環道の外径31m(歩道を除く)
中心から中央島 直径14m、外側へ路肩0.5m、エプロン(環道車両の内輪差に対応する空間)3m、環道幅員4.5m、路肩0.5m、歩道2.5m

2014-03-15 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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