人ごとではない特殊詐欺〜須坂署長講演

2014-06-28 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須高地区の72事業所でつくる須坂警察官友の会(神林章会長)はこのほど、スザカ迎賓館で治安懇談会を開き、須坂警察署の大川雄一署長が須高地域の治安情勢をテーマに講演、約50人が聞き入った。大川署長は現在県内に非常事態宣言(5月23日付)が出されている特殊詐欺について重点的に話し、被害防止に理解と協力を求めた。
 今年は5月末現在、県内で81件発生、4億9,028万6,924円の被害が出ており、昨年同日に比べて件数で18件、被害額で85,388,924円増加、過去最悪だった昨年をさらに上回るペースで推移している。須坂署管内では高山村で1件(ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺)発生、3,011,000円がだまし取られた。
 事件は1月中旬に発生。被害者はロト6の当選番号を教えてくれるというインターネットサイトにアクセス、掲載されていた電話番号に電話したところ、ID作成料として1,000円を請求され、その後「当選番号を教えるには当社もリスクを負う。保証金を用意してほしい」などと言われ、手付金1万円と保証金300万円を指定された複数の銀行口座に振り込んだという。
 また、未遂事件が6月13日に須坂市で発生した。70代女性宅に警察官と全国銀行協会職員を名乗る男から「あなたの銀行口座が犯罪に使われているので、100万円以上の定期預金は解約してください。全国銀行協会で管理します」などの電話があり、女性は金融機関で定期預金約360万円を解約した。
 帰宅後、同協会職員を名乗る男が訪れ、現金の入った封筒を手渡したが、男は中身を確認せずにバッグに入れたため、不審に思った女性が封筒を取り返すと、男はそのまま逃げたという。同日、須坂市内では警察官を名乗る不審電話が相次ぎ、確認されているだけで12件あった。
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 事件にはなっていないが、同署には「オレオレ詐欺のような電話があった」「金融商品勧誘のパンフレットが送られてきたが、大丈夫か」などといった相談や連絡が25日現在で78件寄せられており、今年は高校のOBの親を狙う手口が急増しているという。
 また、管内の金融機関が振り込みの直前で被害を防いだケースが25日現在で5件あり、計1,600万円の財産が守られた。
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 須坂警察署や須高防犯協会連合会では被害防止対策として、同連合会女性部(須高エレガント)の「リメンバー作戦」をはじめ、高齢者宅への訪問活動、各種ネットワークの活用、金融機関対象の勉強会開催、金融機関窓口への表示板(ネーム立て)の掲示などを計画・実施している。
 このうち、リメンバー作戦は須高エレガントのメンバーが高齢者が集まるイベントや会合などで特殊詐欺を題材にした寸劇やダンスを披露するもので、視覚に焼き付けて注意を促している。
 また、金融機関の表示板は「警察の指導により、現金の使い道をお聞きすることがあります」と記すことで、窓口担当者が該当者に聞きづらい状況を解消しようと、設置を進めている。
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 治安懇談会で大川署長は「特殊詐欺に限らず、警察ではあらゆる機会を通じて犯罪防止に努めているが、安全・安心な地域づくりには皆さんのご理解とご協力が不可欠。なお一層のご支援をお願いしたい」と呼び掛けた。

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