♫停電の日のスープ、あったかいんだから〜

2015-03-28 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 春休みに入る直前、須坂市学校給食センターに豊洲小2年松組(26人)の子どもたちから手紙が届いた。早朝から3時間半にわたって停電した3月2日、学校給食の調理は不可能という状況の中で、復旧後、最大限に献立をアレンジした具だくさんの温かい汁物や非常食のレトルトカレーなどを届けてくれたことに対する、感謝と尊敬の気持ちが一人一人の手紙に込められていた。

 同組担任の高野弘子教諭は、「せめて温かい汁物だけでも子どもたちに食べさせてあげたいと短時間で調理し、各学校に届けてくれた給食センターの皆さんの思いや苦労を知ってほしい」と3月中旬、道徳の授業で取り上げた。通常通りの作業が行えず緊迫する給食センターや関連業者の困惑、さらにこの状況でできる事を綿密に打ち合わせる職員の様子を記録した栄養教諭・清水智子さんの手記を高野教諭が読み上げると、児童たちはじっと静かに聞き入った。
 長引く停電を初めて経験した子どもたちは「こたつもストーブもつかず寒かった」「ごはんが炊けなかったのでコンビニに行ったが売り切れていた」など、それぞれが肌で感じた大変さと重ね合わせた。それだけに温かい汁物と非常食カレー、ひし餅、牛乳といういつもと違う給食は、子どもたちの心とお腹を満たしてくれたようだ。
 “給食センターのみなさんへ”と書かれた手紙には「大変だったのに、私たちに給食を食べさせてくれてありがとう」「冷たい水で野菜を洗ってくれてありがとう」など、感謝の言葉が続いた。手紙を読んだ清水栄養教諭は「センターのことを伝えることができて良かった。2年生なりに理解してくれたことがうれしい」と話した。
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 停電の日に汁物と一緒に出された学校給食用レトルト食品「救給カレー」は、公益社団法人全国学校栄養士協議会が開発した非常食。須坂市は本年度初めて導入し、今回の停電で、休校になった豊丘小以外の小中学校で約4,800食分を使った。市学校給食センターによると、新たにカレーを購入し、賞味期限(3年)内に給食で消費するなど、非常食の備蓄を絶やさない方法をとる。

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