2017-07-29 07:00 am by 須坂新聞
絵画サークル竜画会に所属する石綿ます枝さん(92、須坂市塩川町)の油絵が今年も県展で入選した。本人いわく「回数は忘れたけど、15、16回目ぐらいじゃないかな」という常連。県展に出品する作品は常に「カニ」を題材にし、今回は椅子に並べた2杯のカニを50号のキャンバスに描いた。「目標は次も入選すること」。絵画にかける情熱が劣えることはない。
幼い頃から絵を描くことが好きだった。家事、育児で忙しい毎日を送り、やっと自分の時間が持てるようになった50歳頃から絵画教室に通い、堀込はやおさん、大井喜久さんらの指導を受けた。上越の鮮魚センターで買ったカニを描いた作品に目を留めた掘込さんから「カニで作品を追究したら」とアドバイスを受け、今に至っているという。
その後、真っ赤なカニだけでなく、赤紫や青色など、さまざまな色彩表現に挑み、連続入選を果たした。しかし昨年、青と白で爽快に描いた作品が落選してしまった。同居する長男の秀好さん(57)は「あの時はかなり落ち込んでいた。しかし、その悔しさをはねのける根性は立派。90歳を過ぎて常に目標を持ち続ける姿に、人として尊敬する」
秋の北信展に出品する作品は、カニとは画風が異なる風景などが中心。今年の5月連休にはその題材探しに、秀好さん夫妻らと一緒に富士山付近まで車で出掛けた。
ます枝さんは「人生、好きなことやってなきゃつまらない。病気もしたけど、皆にお世話になりながら描かせてもらっていて、大満足です」。現在、北信美術会員、信州美術会員。
竜画会会長の角田正雄さん(角田酒店、須坂市春木町)は「以前、竜画会で出掛けたスケッチ旅行でも、宴会の途中に窓から風景を見てスケッチをする姿があった。その制作意欲に驚かされた。石綿さんの活躍は会としても誇り」と話している。
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