2021-12-11 09:43 am by 須坂新聞
須坂市の日野小学校児童は3日午後7時過ぎ、日本上空を通過する国際宇宙ステーション(ISS)滞在中の宇宙飛行士とアマチュア無線で交信した。同校が育てた?平和の象徴?カンナの種を2020年3月にISSに打ち上げたことが縁で実現。会場の同校体育館に集まった関係者は「宇宙からの素敵な贈り物。平和を考え行動する一歩にしてほしい」と熱い期待を子どもたちに寄せていた。
宇宙との交信は、世界平和を目指して活動するカンナ・プロジェクトが企画、その活動に共感した地元の高校生や市民らの協力により成功した。
当日は、参加を希望した4〜6年生15人が、米国の宇宙飛行士ラジャ・チャリさんに1問ずつ英語で質問。ラジャさんは一人一人に丁寧に答えていた。音声も鮮明だった。
交信した6年の市川仁君、滝澤真生さん、山岸大智君、山田諒弥君、相生恵佑君、笠井祐花さんは「宇宙につながって本当にうれしい。緊張したけれど楽しかった。交信と同じくらい皆さんの力強い応援に感動した。いい思い出になった」と瞳を輝かせていた。
質問内容は宇宙ミッションに参加する全国20の保育園〜高校から寄せられた中から15問に集約して、同小児童が代表して行った。
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交信後、新井孝之校長は「15人の思いが宇宙に届いた。将来に生きる貴重な経験となった」と関係者に感謝。
無線通信に尽力した矢口徳之さん(北安曇郡池田町)は「児童の晴れ舞台を必ず成功させたかった。そのため県内から技術力の高いアマチュア無線家に応援いただき、障害となりうる懸念点に対処できるよう準備した。この機会に若い人にアマチュア無線の楽しみを知ってほしい」。コントロールオペレーターを務めた嘉部満さん(長野市)は「北信地区初の画期的なこと。皆さんは特別な体験をした。未来への大きな財産」とたたえた。
今回、地元高校生ら18人でつくる高校生チームは音響や配信、翻訳、アンテナ設営サポート、当日の会場準備など、大きな役割を果たした。チーム代表で長野高専2年の山岸翔梧さん(幸高町)は「多くの人たちの協力があって成功した。まさに英知の結集。子どもたちに貴重な贈り物ができて良かった」。
同プロジェクト主宰の橘凛保(たちばな・りほ)さん(東京都)は「壮大なことも多くの人が尊重し合い、力を合わせることで実現できる。そんなことをこの交信を通じて感じてくれたらうれしい」と話している。
交信当日の様子をYouTubeで公開。
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