2022-07-02 10:27 am by 須坂新聞
東中学校(生徒143人)は本年度、同校にある約100年前に製造されたと推定されるフランスのPLEYEL(プレイエル)社製グランドピアノの音色を復活させるプロジェクトに取り組んでいる。6月27日は、調律師の指導で生徒たちもピアノの修理作業に励んだ。秋に開く東祭で演奏ができるよう準備を進めている。
プロジェクトは、今年2月の校長講話をきっかけに始動した。「PLEYELのピアノにいのちを吹き込む」をテーマに掲げ、総合的な学習の時間に▽イベント企画▽資金集め▽情報発信―の3グループに分かれて活動している。
ピアノは同校が開校する直前の1958(昭和33)年、当時の仁礼村南部中学校に仁礼町出身の実業家山岸右京さんが寄贈。同窓生によると、20年ほどは使用されていないという。現在まで校舎1階の日の当たらない場所に展示されていた。
プレイエル社は1807年に創業したフランスのピアノメーカー。軽いタッチや豊かな音でショパンが愛用したとされる。プレイエルのピアノ台帳で同校のピアノの製造番号を調べたところ、1920年代に製造されたものだと分かったという。
この日は、調律師と共にピアノの分解や清掃作業をした。生徒が担当できる部分は交代しながら全校が携わった。屋根、ペダル、鍵盤、譜面台などのパーツを外し、雑巾で丁寧に拭いた。鍵盤を拭いた生徒は「見た目では分からない汚れが多くてびっくりした」「汚れている部分が多く歴史を感じる」と話していた。
専門的な知識や技術が必要な部分は後日、調律師が修理作業を担う。譜面台の欠けているパーツは生徒が製作する予定だ。
分解・清掃班班長の田中萌々子さん(3年)は「全校生徒が修理作業に関われてうれしい。音の不調などが無くなり、音の響きが良くなったらいい」と期待していた。
島田浩幸校長は「さまざまな問題意識を持ち、主体的に動く姿は素晴らしい。母校にあるものに触れたり弾いたりして、歴史を感じ取ってほしい」と話していた。
生徒たちはピアノ修理のほか、修理費捻出のために花を育てて販売したり、演奏会の計画やチラシ作りなども進めていく。
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