知事との県民対話集会開催〜多様な学びの場に支援要望

2022-11-26 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 県は18日、阿部守一知事と住民が語り合う「知事との県民対話集会」を須坂市子育て就労総合支援センター「bota(ぼーた)」で開いた。三木正夫市長や市民ら約20人が参加。「須坂らしい子育て」をテーマに意見交換した。知事は、民間フリースクールなど子どもたちの多様な学びの場を確保するための公的支援を要望され、「学びの場の多様化にはもっと積極的に取り組みたいと思っている。皆さんと一緒に考えていきたい」と述べた。
 不登校児らの居場所づくりに力を入れている女性は「須坂、小布施、高山にはフリースクールがない」と指摘。夏休みにサマースクールを開設したところ、「(保護者からは)不定期でもいいから続けてほしい、と言われている」と言う。
 ただ、こうした子どもの居場所を増やしていくためには、運営資金の課題があるとし、「これからの子どもたちのためにお金を使ってほしいというのが切実な願い」と訴えた。
 別の女性は「地域の中に行きたいときに行ける場所がたくさんあり、そこに相談できるスタッフがいることが大事」と語った。
 知事は「いろんな居場所をつくっていくことは大事」と共感し、その一歩として、寄付金を募って優遇できるように「長野県の学びの場を応援してほしい、というメッセージを出そうと思っている」と説明した。
 「公立学校だけに税金を投入していいのか、というのが私の問題意識。学校に通えない子どもたちにとっては全くサービスがなくなってしまう。市町村と一緒に考えていかなければいけない分野だ」とも述べた。
 フリースクールなどへの財政的支援については「制度的に確立していない分野だけに、しっかり話し合わないといけない」とした。
 教員不足の問題を取り上げた男性は「子どもたちの学力の保障はできても、なかなか一人一人の心の保障ができていないのが現状」と、学校現場の状況を伝えた。知事は「教員配置の在り方をもう一度考えないといけない」と見解を示した。
 この他、県教育委員会が進める高校再編について知事は「再編後の場所(空き施設)の活用は県として皆さんと一緒にしっかり考えたい」。自然を生かした子育てでは「信州やまほいく(信州型自然保育)」を挙げ、「子どもを自然の中で育てたいから、と移住してくる方も増えてきた」と述べた。
 知事は「子どもたちの周りにはいろんな課題がある。学校や地域でこういう議論をもっとしてほしい」と呼びかけた。
 対話集会は「対話と共創」の県政を推進するための取り組み。知事が県内全市町村を訪れ、テーマに沿って県民と語り合う。
 4期目を迎えた知事は、3期目の反省点に県民との対話が足りなかったことを挙げ「まずは全市町村を回り、考え方や方向性を共有することから県政を再スタートさせたい」と誓った。
 三木市長は「テーマは須坂市からお願いをした。自分たちも一緒になって地域をつくっていくことが大切だ」と強調した。
 対話集会は10月から始まり、須坂市が8カ所目。小布施町と高山村の開催日は、現在調整中という。

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