【須坂市】空き家バンク事業が移住に成果

2022-12-10 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市が2014年度から取り組む移住者のための空き家バンク事業が、移住促進に一定の成果を上げている。11月30日時点で登録物件の累計が108件となり、このうち100件が成約(成約率93%)。空き家バンクを利用して105人が市内に移り住んでいる。一方で、移住希望者の空き家に対する需要に供給が追い付いていない状況が続いており、ニーズに応えるための物件の掘り起こしが課題という。
 市政策推進課の信州須坂移住支援チームによると、登録物件の内訳は売買74件、賃貸34件。空き家を売りたい所有者が約7割を占める。「移住者が希望するのは賃貸物件。相談の段階では圧倒的に多い。賃貸はあっという間に成約していく」と、需給のミスマッチはあるものの、賃貸と売買を希望する移住者層は異なるため、「売買物件も登録から数カ月の間には決まっていく」。年間十数件ずつ登録物件を確保しながら実績を上げてきた。
 空き家物件は、市の移住応援サイト「スザカでくらす」と、県の「楽園信州空き家バンク」で公開している。昨年度改修した市のサイトでは、これまでのように物件を写真付きで発信するだけでなく、ユーチューブの動画やグーグルのストリートビューも掲載。「事前にある程度の情報が得られるように」と、物件や周辺の環境などを紹介している。
 市は14年4月に移住支援チームを立ち上げ、同年8月から空き家バンク事業をスタート。県宅地建物取引業協会長野支部と協定を結び、9年目になる。
 この間、移住支援チームが関わった移住者は約300人。うち約3分の1が空き家バンクを利用しており、移住者の住まいのサポートと空き家の解消に役割を果たしている。
 市は新たな空き家の掘り起こしに向け、納税通知の封筒に空き家募集を呼びかける内容を載せて周知するなど「今やっていることをこつこつ続けていくことが大事」と説明。さらに今後は、地域おこし協力隊も積極的に活用し、所有者に対して空き家バンクへの登録を促していく考えだ。
 登録物件の約6割は市民所有の空き家といい、「市民の方で空き家をお持ちの方は空き家バンクに登録してもらいたい」と担当者。
 移住支援の目的をはじめ、空き家を有効活用することで「トータル的に空き家が1戸でも解消されればいい。その一つの手段として今後も空き家バンクを機能させていきたい」と話している。
 市まちづくり課によると、市内の空き家数は、今年3月に実施した実態調査で723戸あったという。

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