【最終処分場問題】先進地視察〜オープン型で理解深める

2009-02-07 10:09 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 須坂市は30日、栃木県宇都宮市一般廃棄物最終処分場エコパーク板戸(オープン型)で管理型最終処分場の第2回先進地視察を行った。須坂市、高山村の区長や住民ら67人が参加した。新潟県長岡市栃尾最終処分場(クローズ型)に続いて参加した市民は「両方見て勉強になった。ごみは候補地の問題でなく、出す人全員の問題。多くの住民が一緒に考えることができるよう進めてほしい」と取材に答えた。

 宇都宮市の処分場は平成16年稼働。平成8年に板戸町に決め、環境アセスや用地取得など行い、14年着工、2年弱で完成した。総事業費96億円余。
 約40ヘクタールに埋め立て地約3.3ヘクタールや浸出水処理施設、調整池、道路、覆土置き場、保全ゾーンがある。埋め立て容量は約35万5,000立方メートル。焼却灰など五種類の灰と山砂をサンドイッチ方式で埋める。期間は15年間。
 埋め立て地から浸出する水は、焼却灰に多く含まれるカルシウムイオンを取り除く凝集沈殿処理や、微生物で分解・除去する生物処理、水銀や重金属を取り除く高度処理(キレート吸着法)などを行い、基準内の水質で放流する。処理能力は1日150立方メートル。処理水は工業団地排水処理施設で再処理され鬼怒川に放流する。
 外部流出を防ぐ遮水工は二重の遮水シートと粘土の三重構造。漏水は135カ所で検知し、シート破損は埋め立て物を掘り起こすことなく止水材をポンプで送って補修。稼働後問題はないという。
 宮内庁の御料牧場が隣にあり、保全ゾーンはホトケドジョウやオオタカなどを保護し、年2回動植物や魚類、ハチュウ類などを調査し、環境学習や星空観察にも力を入れる。悪臭や廃棄物の飛散などの苦情はないという。
 視察した区長は「構造的に安全安心の施設と区民に説明できる」との感想や、「埋め立て完了後も稼働する水処理施設がいつまでも大丈夫か答えがなく不安も」「概要は理解できるが、オープン型は大雨の処理に何日かかるか心配」と取材に答えた。
 渡辺章市民生活部長は「水処理の安全性に納得した。埋め立てる中身の管理や搬入するトラックの管理がしっかりしているようで安心した」と話す。



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