【不況直撃】高校生就職〜苦悩の現場《その2》

2009-12-13 08:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon■「内定のない生徒は職種に関係なく、求人があるとすぐに飛びつくような状態」複雑な思いの現場…

 須坂商業、須坂園芸、須坂東の市内3校の来春卒業予定者の就職は9日現在、希望者101人に対して81人が内定した。率にして80.20%。昨年同時期に比べて8%程低い。その数字以上に、須坂職安管内の企業からの求人が激減し、昨年1.5倍ほどあった求人倍率は1倍に満たず、就職したくても就職できない人が出てしまう状況。まさに不況が高校生の就職活動を直撃している。本紙では先週号に続く第2弾として、須坂園芸高を取材した。
 同校の卒業予定者は149人。このうち41人(男25、女16)が就職を希望し、29人(男19、女10)が内定した。内定率70.73%。昨年の同時期に比べて15%減少している。大学、専門学校への進学希望は約100人。
 同校は園芸、食品科学、農業経済、造園の4科で構成。就職先は農業関連をはじめ 製造業など全般にわたる。
 今年内定率が伸び悩む一因に、須坂職安管内企業の大幅な求人数の減少がある。昨年は同時期に19人が内定したが、今年は10人。管内企業は18社のうち6社にとどまる。
 進路指導主事の木下聡教諭は「進学は少子化の影響もあり、比較的門戸は広い。就職から進学へ進路を変えた生徒もいる。就職は希望通りの職種は少ない。内定のない生徒は職種に関係なく、求人があるとすぐに飛びつくような状態。私も複雑な思いだが、待てと制することもある。本校生徒はこれまで農業だけでなく、多方面で活躍している。生き物と接する中で素直な生徒が多い。3月までに全員内定を目指す。企業にはともかく求人を出してほしい」と切実な思いを語った。
 木下教諭らは、厚生労働省のホームページ「高卒求人情報WEBサービス」を確認したり、県就職支援指導員や、須坂市就業支援センター「ゆめわーく須坂」など関係機関と連携を図っている。
 ゆめわーく須坂の林日女子さんは「カウンセリングしている市内の生徒はとても真面目で優秀な印象。不況でなければきちんと就職できます。カウンセリングでは自分を見つめることを助言しますが、どんな仕事をしたいのかがよく見えていない。今その宿題を出していますが、答えを受けて、適切な企業に橋渡ししたいと思います。できれば中学生から高校2年生の間に将来の方向性を探ってほしい」と話している。

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