花火復活「須坂みんなの花火大会」①

2010-07-31 10:45 am by 須坂新聞

趣味・生活 icon 須坂の夜空に満天の華、須坂の花火大会が復活―。昨夏不況のため中止した花火大会は新名称を「須坂みんなの花火大会」として23日夜、百々川緑地で開かれ、約2,000発の花火が上がった。河川敷一帯を埋め尽くした約3万人の観衆からは歓声と共に大きな拍手が送られ、2年ぶりに見る風物詩が地域や人々に元気を与えた。

■「これからも続けて」
 須坂の花火大会は1898(明治31)年に開催した歴史があり、当時隆盛を極めた製糸工場で働く女工らでにぎわった記録が残っている。1985(昭和60)年に秋のえびす講花火と一本化して「納涼花火大会」となり、2002(平成14)年から一昨年まで「蔵の町須坂花火の夕べ」の名称で開いてきたが、世界同時不況の影響を受けた昨年、予算の80%以上を占める企業・商店・団体からの協賛金が例年のようには見込めないことから、主催の実行委員会(事務局・須坂商工会議所)は「断腸の思い」で中止を決定した。
 その後、実行委員会では「次の年には必ず復活する」強い決意のもと、景気に左右されない市民参加型の新しい運営形態を模索、より多くの市民的な団体が参加した新しい実行委員会を立ち上げ、共創による市民花火を目指してきた。
 その一つとして、一般市民を対象にした募金活動を初めて実施、目標の100万円を大幅に上回る168万4,594円の善意が寄せられた。内訳は▽ゆうちょ銀行への振り込み(手数料は実行委が負担)=115万円▽八十二銀行への振り込み(手数料は自己負担)=48,000円▽募金箱(20カ所に設置)=128,638円▽街頭募金(13回実施)=357,956円。
 その結果、企業・商店・団体からの協賛金約460万円、市からの負担金200万円などを合わせ、一方で経費削減に努めたことから、前回並みの規模で開催できる見通しとなった。
 当日は花火大会を待ちわびた人たちが続々詰めかけ、河川敷は人・人・人で埋め尽くされた。午後7時、オープニングイベントとして須坂東高校ダンス同好会、須坂高校ダンス部、篠塚麗比フラスクールがパフォーマンスを披露。7時50分からのメッセージ付き記念花火に続き、19プログラムの光の競演が繰り広げられた。フィナーレでは市民募金全額を投入した大会復活記念のビッグワイドスターマイン「須坂の夜空に満天の華」が登場、大歓声の中で感激の涙を流している人もいた。
 夫妻で訪れた須坂市米持町の荒井満茂さん・香子さんは「毎年見に来ているが、今年は2年分の思いがこもった花火で、とても感激した。来年以降も続けてほしい」と話し、実行委員長の牧勇男須坂商工会議所会頭は「2年ぶりに花火大会を開催できて、こんなにうれしいことはない。多くの皆さんのご支援ご協力に心から感謝したい。心配していた雨も降らず、本当に多くの皆さんに来ていただいた。初めての取り組みが多く、寄付者の名前掲載や大会運営でご迷惑をおかけした部分があり、反省と検討を加え次回に生かしていきたい」と話している。
 会場では来年に向けての募金活動を実施、激励の言葉と共に66,577円の善意が寄せられた。また、翌日の須坂カッタカタまつり会場でも行い、9,002円が集まった。

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