2010-07-31 10:45 am by 須坂新聞
23日に行われた「須坂みんなの花火大会」を特別な思いで見つめていた人たちがいる。昨年11月、交通事故で亡くなった畔上今朝造さん(須坂市北旭ケ丘町、享年60)の家族だ。畔上さんは地域の版画グループ「金曜会」の会員として、2010年版版画カレンダーの8月分を担当、制作の手を休めた散歩中に車にはねられた。作品は花火がテーマ、金曜会会員と家族が後を継ぎ、共同作業で完成した。会場の百々川緑地には畔上さんの写真を天に掲げる家族の姿があった。
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本紙の昨年12月12日号でも紹介しているが、畔上さんは中止になった須坂の花火の復活を願い、サブタイトルを「景気回復」と名付けた。制作半ばだった作品は、家族ができる個所は家族が、専門的な個所は金曜会会員が手掛けて出来上がった。
そして、畔上さんの思いが通じて花火大会が復活―。3人の子どもたちは父の供養になればと、実行委員会が募集したメッセージ付き記念花火に応募した。
長女・徳子さん「お父さん須坂の花火復活したよ、天国から見てるよね」
長男・宏一さん「優しく温かかった親父、家族みんなで頑張るから見守ってください」
次女・幸子さん「今年は花火あがったよ。お父さんの笑い声が聞こえるよ」
メッセージがアナウンスされ、大輪の花が夜空を彩ると、会場から一斉に大きな拍手が沸き起こった。花火はいつもは家から見ていて、今回初めて会場に足を運んだという家族を代表して、徳子さんは「父がカレンダーに描いたような花火が目の前で上がって、言葉にならないほど感激しました。花火大会が復活し、皆さんから拍手もいただき、父も喜んでいると思います」と話している。
金曜会の版画カレンダーは30部を手作り、公共施設などに配布した。あす8月1日から1カ月、畔上さんの遺作の出番となる。
2010-07-31 10:45 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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